色々あって面白い、今月の月名〔4月〕
「和風月名」
それは日本で独自に呼ばれている暦の月の呼び名です。
単純な数詞で呼ぶとすぐに何月か分かりますが、少し味気無いですよね。
せっかくなので、趣のある呼び方を知ってみませんか。
毎月、日本や世界で呼ばれる月名をご紹介するこのコーナー。
本日は新生活が始まる「4月」をご紹介します。
英語で4月は『April(エープリル)』です。
由来は複数存在し、一つはギリシャ神話で愛と美を司る『Aphrodītē(アプロディーテー)』が由来とされるもの。
アプロディーテーは、元々植物を司る「地母神」であったとされ、4月は作物が豊かに育つ「豊饒の月」であることから「アプロディーテーに捧げられた月」という意味のラテン語で『Aprilis(アプリリス)』と呼ばれました。
後にこれが「April」に変わったとされる説です。
もう一つは「花が咲き開く月」であることから、ラテン語で「開く」という意味の『Aperire(アペリーレ)』が変わったとされる説です。
どちらの説もこれから自然が豊かになっていく様を思わせる由来ですね。
各国の言語もラテン語由来で、イタリア語では『aprile(アプリーレ)』、スペイン語では『abril(アブリル)』、フランス語では『avril(アヴリル)』、ドイツ語では『April(アプリル)』と呼びます。
和風月名では、4月を『卯月(うづき)』と呼びます。
由来は、ウツギという木が4月に咲かせる花を「卯の花」と呼ぶことから「卯の花月(うのはなづき)」の略称であるという説が一般的です。
その他にも「稲の種を植える月」であるから「種月(うづき)」や「植月(うえづき)」から転じたとする説や、「う」は「初(うい)」や「産(うぶ)」の意味を指しており「一年を循環する最初の月」を意味している説があります。
和風月名以外の異名
旧暦では4月は夏の始まり。
活気に溢れる初夏を感じさせる異名が多くあります。
旧暦では夏の始まりである「立夏」は3月中旬から4月中旬頃に当てはまります。
なので、4月は「夏が始まる月」であることから呼ばれます。
「孟」は「初め」という意味を持ちます。
上記と同じように「夏の初めの月」という意味で名付けられています。
旧暦では養蚕期にあたるので「蚕のエサである桑の木の葉を採取する月」という意味を持っています。
古人達が歌に残すほどに待ち望んだものの一つに、その年に初めてホトトギスが鳴く声「初音(はつね)」があります。
ホトトギスは、旧暦の4月頃に日本にやってくる渡り鳥です。
そんな「渡り鳥が来るのを楽しみに待っている」ことを表した呼び名です。
春の代表ともいえる桜の花は、旧暦4月になるとほとんど散ってしまいます。
しかし「山間の茂みなどにわずかながら花を見つけることができる」様子を表して名付けられました。
お米になる稲は、秋になると黄金色に輝きます。
刈り入れが近づいた麦は、稲と同じように黄金色になり、その時期は旧暦の4月です。
そのため稲に倣い「麦にとっての秋」という意味で呼ばれています。
中国の陰陽思想において澄んだ明白な気を「陽」、濁った暗黒の気を「陰」といいます。
一見すると暗い印象を受けますが、これは「陽の気が極まって陰の気が生じだす月」という意味です。
古代中国から伝わった占いの「八卦(はっけ)」。
それを1年の12ヶ月と結びつけた「十二消息卦(じゅうにしょうそくか)」の中で、4月には「乾」が配されるため名付けられています。
その月の北斗七星の尾が指す方角の十二支に当てはめる「十二月建(じゅうにげっけん)」。
4月は、南南東よりやや北の方角である「巳」の方角を指すので、こう呼ばれます。
中国伝統音楽で使われる音「十二律」名を旧暦の月に配当した名前であり、起点である11月から数えて「6番目の音」で「仲呂」となります。
毎日がぽかぽかと暖かく過ごしやすい4月。
旧暦では夏に分類されており、春から夏に移り変わっていく途中であることを感じられる名前が多いです。
少し気が早いかもしれませんが、昔の人と同じように夏の訪れを楽しむかのような気持ちを持ちたいですね。
来月は初夏である5月の異名をご紹介します。
各月の月名紹介
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