色々あって面白い、今月の月名〔2月〕
暦月につけられた日本生まれの名前「和風月名」。
その名前には色んな由来や理由があり、そこから当時の情景を思い描くことができます。
まだまだ寒いこの時期には、どんな名前が付けられているのでしょうか。
このブログテーマでは、毎月の月名と由来などに触れていきます。
今月は「2月」の月名をご紹介します。
英語で2月は『February(フェビュエリー)』ですね。
ローマ神話には『Februus(フェブルウス)』という「月と浄化を司る神」が登場します。
古代ローマでは、フェブルウスを主神とした『Februalia(フェブルアーリア)』あるいは『Februa(フェブルア)』という慰霊祭が毎年2月に執り行われていました。
このことから次第に、ラテン語で2月を『Februarius(フェブルアリウス)』と呼ぶようになり、これが名前の由来に繋がります。
各国も2月を指す言葉はラテン語から派生しており、ドイツ語では『Februar(フェブルアー)』、フランス語では『février(フェヴリエ)』、スペイン語では『febrero(フェブレロ)』、イタリア語では『febbraio(フェッブライオ)』と呼びます。
2月の和風月名は『如月(きさらぎ)』と書きます。
漢字の表記は古代中国で2月を指す言葉と同じですが、読み方は「にょげつ」なので「きさらぎ」と読む由来とは関係ありません。
諸説ある「きさらぎ」と読む由来の中で有力なのが、旧暦の2月はまだ寒く「衣(服)を更に重ね着する」ことから「衣更着(きぬさらぎ)」と呼んで転じたとされるものです。
それ以外にも、1月よりも「更に陽気が来る月」であるため「気更来(きさらぎ)」、「春に向けて草木が更に生えてくる」ことから「生更木(きさらぎ)」、「草木の目が張り出す月」から「草木張月(くさきはりづき)」が語源とも考えられています。
和風月名以外の異名
そろそろ春の訪れを感じる2月。
異名には、植物の芽吹きを感じる名前が多くあります。
旧暦2月は現在の3月頃にあたります。
この時期に咲く「梅の花が見られる月」であることから由来します。
この時期はだいぶ暖かくなり「木々が芽吹く」ことから呼ばれます。
木の芽だけでなく「小さな草も生える月」であることから名づけられました。
花だけでなく木や草からも春を感じられますね。
「恵風」は「万物を成長させてくれる恵みの風」を指す言葉ですが、2月の異名にもあたります。
旧暦では、2月は四季の春真っただ中。
「春の三か月間の丁度真ん中」にあたるため、名づけられています。
秋から冬にかけて、日本には越冬のために「雁(がん・かり)」が渡来します。
春になると繁殖のために再び「日本を離れて帰ります」が、この時期が旧暦2月にあたることから呼ばれています。
降り納めになる雪を「雪の果て(ゆきのはて)」と言い、この言葉を使った「雪の果ては涅槃(ゆきのはてはねはん)」ということわざがあります。
涅槃は釈迦の亡くなった日に行う「涅槃会」という集会のことで、それが2月15日に行うことから「雪が消える月」として異名になりました。
元号の由来にもなっている「令月」は2月の異名でもあります。
「めでたい月・何をするにも良いとされる月」という意味があります。
北斗七星の尾が指す方向に干支を当てはめた場合の異名です。
かつての新年とされた11月から数えて「4番目の月」が2月なので、干支の「卯」になります。
中国音楽である十二律は、各月の異名にも使われています。
「夾鐘」は建卯月と同じく「4番目の音」で2月を表します。
現在だとまだ寒さが残る2月も、旧暦だと春真っ盛りであるため、春を喜んでいるような名前が多いですね。
今の私たちにとって、月の名前から春の訪れを待ちわびるのも、また一興なのかもしれません。
来月は旧暦の春も最後の月。
いったいどんな呼び方があるのか楽しみにしていてくださいね。
各月の月名紹介
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