音や状態を字句で表現する。誰とでもなんとなく通じ合えるオノマトペ。

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なにげない日常会話の時、前に他県出身の方から「会話に擬音語が多い」とつっこまれたことがあります。
意識しているわけではないのですが、確かに「バーン」とか「シャッ」とか沢山の擬音語を使っているような気がします。
とはいえ関西でなくとも、昨今では「きゅん」や「ぴえん」などの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
音のようでありながら、実際には聞こえたことがない音?のような言葉も沢山あります。
この言葉は、いったいどのようなものなのでしょうか。
今回は音と状態を表す言葉「オノマトペ」について触れていきます。

 

実際の音も聞こえない音も表現する、それがオノマトペ

私たちの世界は音で溢れています。
例えば雷が鳴る音だったり、犬の鳴き声だったりと、数えだしたらキリがありません。
単純に何かから音が聞こえた時「~の音」や「~の声」と表現しますが、もっと具体的に音や声のカタチを表現したいときがあります。
そんなときに私たちは「ゴロゴロ」「ワンワン」などの字句で表現するのではないでしょうか。
これらの「実際に聞こえてきた音」を字句で表したものを『擬音語(ぎおんご)』といい、その中でも「動物が発した声」を字句で表したものを『擬声語(ぎせいご)』といいます。

それ以外にも例えば「ゾッとした」というような表現を聞いたことはないでしょうか。
この表現を聞くと「何か背筋が凍るような怖い思いをした」と解釈する人が多いと思います。
この「ゾッ」という字句は、実際に怖い思いをした時に耳に聞こえたという人はあまりいないと思います。
それなのにもかかわらず、なんとなくどう感じたのかを読み取ることができます。
このような「状態や感情など音が聞こえるはずのないもの」を字句で表したものを『擬態語(ぎたいご)』といいます。

そして擬音語、擬声語、擬態語を総称して『オノマトペ』といいます。

 

昔から日本語で使われていたオノマトペ

日常生活のどこかで必ず聞くオノマトペですが、日本ではいつから使われているのでしょうか。
現存する日本最古の歴史書である「古事記」にも実は擬音語が使われています。

~(省略)~ 其の沼矛を指し下ろして畫きたまへば、鹽許袁呂許袁呂に畫き鳴して、~(省略)~

古事記新講/次田潤 著. 明治書院, 1924 P.27 より引用

この「許袁呂許袁呂に畫き鳴して」「こおろこおろと鳴るように」という意味で、擬音語が用いられているのが分かります。

 

もう一つの日本最古の和歌集「万葉集」にも数々のオノマトペが使われています。

可良須等布 於保乎曽杼里能 麻左☐(人編に弖)尓毛 伎麻左奴伎美乎 許呂久等曽奈久
読:からすとふ おほをそとりの まさでにも きまさぬきみを ころくとぞなく

万葉集/第十四巻 3521番歌 より引用

この歌には、生き物の「カラス」が出てきており、その鳴き声が「ころく」と表現されています。

 

それ以外にも文芸作品には、あまり聞きなれないような独特なオノマトペが使われていることもあります。

それを見ると、彼はギョクンとして思わず手を離した。

江戸川亂歩全集 第四卷 「虫」/ 江戸川乱歩 著 平凡社,1931 より

やっぱりぽくぽくそれをたべていました。

宮澤賢治全集 第十卷「銀河鉄道の夜」/宮澤賢治 著 筑摩書房,1967 より

前後の文章と合わせて読んでいくと、どこかそのオノマトペに付随するニュアンスを感じ取ることができます。

オノマトペの面白いところは、厳密なルールが無いことです。
音の聞こえ方や感情の感じ方は十人十色ですがオノマトペを通すことにより、相手はどう聞こえたのか・どう感じたのかを共有することができます。

 

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今でも生み出され続けるオノマトペ

現在の日本もオノマトペが増え続けています。
例えば冒頭にご紹介した「ぴえん」「ぴえーん」という泣いている様を表す擬態語から派生したものです。
アルパカや羊などの動物の毛並みを表す「モフモフ」というオノマトペもありますが、こちらも2000年代に入ってから使われるようになったもの。
新しいオノマトペは多くの人々に共感を得られる表現だった場合、広く一般的に使われるようになります。

また、面白いオノマトペが顕著に見られるのは漫画やアニメです。
絵や音で表現されるのはもちろんですが、ただの活字ではなくデザインされた文字を使ったオノマトペが出てくることもあり、より雰囲気が伝わってきます。
作品名は伏せますが、物が落ちた時の「ドンガラガッシャン」、何かを閃いた時の「ピコーン」、動揺や緊張感を表す「ざわ…ざわ…」、ズボンを履くときの「ズボンッ」と自由度が高いのも魅力的です。

 

音と状態を表すオノマトペ。
その根本は「相手に自分の感じたことを詳しく伝えたい」というのがあるのではないでしょうか。
言葉が未発達の幼い子どもが「ぶーぶー」や「にゃーにゃー」と発すれば、そこから「車」や「猫」と何となく表そうとしているものが理解できます。
オノマトペは私たちの世代を超えたコミュニケーションを円滑にしてくれ、より豊かにしてくれるものだと思います。
皆さんも自分が感じたものを新しいオノマトペにして伝えてみてはいかがでしょうか。

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