なんか縁起が悪い気がしちゃう。いろんな場面で避けられる忌み数。
縁起の悪いことが起こる時、決まって特定の事象が起こっている気がする。
殆どは偶然で片付けられてしまいますが、何度も繰り返されるうちに「何か因果関係があるのではないか・・・」と感じてしまいます。
そういったことを「ジンクス」や「迷信」と言いますが、そこに「忌み数」というものがあります。
本日は、様々な事柄から避けられる「忌み数」についてご紹介します。
不吉な数字と考えられてきた「忌み数」
『忌み数(いみかず)』または『忌み番(いみばん)』とは、特定の事柄に使用すると不吉だと考えられている数や番号のことです。
忌み数はジンクスの一種で迷信であり、その内容は合理的な根拠が無いものが殆どです。
しかし結果に対しての後付けが重なると、人はあたかもそれが原因であると信じてしまうのです。
やがて信じた人から別の人へと伝わっていくと、人々の間で共通の認識として社会的に定着し、忌み数とされていきます。
忌み数は言わば「信じるのも信じないのも個々の自由」のものですが、過度に信じられると心理的な不安や文化面での差別などに繋がる危険性もあります。皮肉なことに、結果的に見ると忌み数が原因で引き起ってしまう事実になってしまいます。
とはいえ、忌み数は国の文化や宗教・考え方から起因しているものが多いので、その国のことを知るきっかけにもなるのです。
日本の有名な忌み数
では、日本ではどのような数が忌み数とされているのでしょうか。
恐らく一番有名なのは『4』でしょう。
4を漢字にすると「四」になりますが、これを音読みすると「シ」になりますよね。
日本語では一文字の撥音にはアクセントが無いので、どんな「シ」でも全く同じ音になります。
そして「シ」と同じ音で別の文字には「死」があります。
そのため「四は死に通じるので不吉」と考えられるようになり、忌み数となりました。
また、大和言葉で数詞を表すとき、四を「よ・よん」と読みますが、これも「シ」の発音を避けたことに由来するといわれています。
確かに四の助数詞は「よ・よん」になることが多く、古くから意識されていたことが分かりますね。
「よ」と読むもの | 「よん」と読むもの |
四人 → よにん | 四番 → よんばん |
四年 → よねん | 四台 → よんだい |
四日 → よっか | 四階 → よんかい |
現在に至っても、4は様々な場面で使用が避けられる場合があります。
しばしば見かけるのは、病院の部屋番号です。
入院・通院している方への配慮として死の連想を特に嫌う病院は、一の位が4となる号室が無いことがあります。
同じようにマンションや駐車場でも4が飛ばされていることがあります。
他に面白いのが、車のナンバープレートです。
ナンバープレートの2段目、ひらがなの右に記載されている番号を『一連指定番号(いちれんしていばんごう)』といいます。
この番号は通常であれば「・・・1」から「99-99」まで交付した順番に払い出されます。
しかし下2桁が「42」と「49」は、それぞれ「死に」、「死苦・轢く」などを連想させるため、希望番号制度で申請がない限りは払い出されないのです。
もう一つ日本で忌み数とされているのは『9』です。
9の漢字表記である「九」の音読みは「ク」。
「ク」と同じ音で不吉な漢字に「苦」があります。
そのため「九は苦に通じる」として忌み数とされています。
この9も旅館や宿泊施設の部屋番号で避けられていることがあります。
また4と9を使った「4989」で「四苦八苦」、「4219」で「死にいく」などの語呂合わせを避けるケースも多いです。
そんなこと関係ない!・・・と思いつつも、意味や語呂に気づいてしまうと何となくイヤな気がして避けてしまいますね。
世界にもある忌み数
日本の忌み数は撥音から通じていますが、世界にも色んな理由で忌み数とする数字があります。
西洋で最も恐れられているのが『13』です。
13を忌み数とする由来には複数の説がありますが、その一つは宗教的なものといわれています。
北欧神話では、世界の終末戦争である「ラグナロク」が発生します。
これが起こる原因を作ったのが『ロキ』と呼ばれる神様で、とある宴会に招かれざる「13人目の客」として乱入しているのです。
そのため世界の終末に繋がる縁起の悪い数字として13が印象付けられています。
またキリスト神話では、悪魔の最上位である『サタン』が「13番目の天使が堕天使となった姿」であると記されています。
更にイエス・キリストを裏切った弟子の『ユダ』が最後の晩餐で「13番目の席」に着いたとされています。
このような数々のエピソードが重なり、やがて13が不吉の象徴であると考えられたのです。
この13を避ける風潮は日本よりも顕著なことが多く、建物の13階を作らないために「12a階」としたり、本の巻数やパーティーの人数が13にならないように調整したりなどが見られます。
あまりにも定着しているため「13恐怖症:Triskaidekaphobia(トリスカイデカフォビア)」という名称がある程です。
しかし、逆に不吉を印象付けるために作品で使用されることも多く「13日の金曜日」「13階段」「ゴルゴ13」などが使われています。
イタリアでは『17』が忌み数とされています。
イタリアのローマが起源である「ローマ数字」では、17を「XVII」と表記します。
イタリアの墓石には「VIXI」という文字が刻まれることがあります。
これはラテン語で「生きる」の意味を持つ「VIVO」の完了形で、「生き終えた」つまり「死んだ」という意味になります。
この「VIXI」を入れ替えると「XVII」になることから、忌み数になるのです。
また「旧約聖書」で『ノアの箱舟』が登場する人類を滅ぼす大洪水が『ノアが600歳の時の第2の月の17日』に発生していることからも由来しています。
こちらも「17恐怖症:Heptadecaphobia(ヘプタデカフォビア)」という名称があります。
『666』は新約聖書の「ヨハネの黙示録」から由来している忌み数です。
『ヨハネの黙示録(よはねのもくしろく)』は、ヨハネと呼ばれる人物が神から受けた啓示を記した書物のことです。
13章には今後世界の終末の時に現れて、人類を滅びの道へと導くとされる獣が登場します。
この章の18節に「ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は六百六十六である。」という記述があります。
要約すると「獣は人間であり、またその名を表す数字は666である。この数字にどのような意味があるのかを考えてみなさい。」と記されているのです。
そこから666は「悪魔の数字」と考えられるようになり、忌み数をされているのです。
不吉な忌み数を紐解いてみると、その国の文化や宗教的な背景が見えてくるので、とても興味深いですね。
また「9」は中国では「久」と同じ音なので「縁起が良い」とされるなど、一方では忌み数とされても、別の方面からでは縁起が良いと考えられることもあります。
その数にどんな意味があるのかをきちんと理解して、各国の考え方を知っておきたいですね。
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