ミツバチたちの一生をかけた努力の賜物。古くから健康に重宝されてきたはちみつのあれこれ。

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私たちの食事には様々な食材が使われています。
全ての食材は他の生き物からの恵みです。
しかし「身体に良いから」「健康食品だから」とただ何となく食べるのはもったいない気がしませんか。
ここでは食材の一つに焦点をあてて雑学を紹介し、食材への知識を深めていただけたらと思います。
今回は健康に良いとして紹介されることの多い「はちみつ」。
はちみつの歴史と出来上がるまでをご紹介します。

 

遥か昔から食べられていたはちみつ

みなさんもご存じの通り『はちみつ』はミツバチが集めた蜜から作られるものです。
一般的に販売されているはちみつは野生の巣から直接採取するのではなく、巣箱でミツバチを育てる「養蜂(ようほう)」を行い採取するのがほとんどです。
この養蜂はいつから行われていたのでしょう。

日本において「ミツバチ」が初めて記されたといわれているのは、日本現存最古の正史である「日本書紀」です。
推古35年 丁亥(西暦627年)の件に「夏五月、蝿有り、聚集れり、その凝り累なること十丈ばかり、虚に浮かびて以て信濃坂を越ゆ。鳴く音雷の如し。すなわち東のかた上野国に至て散りぬ」という記述があります。
「五月に蝿が十丈(およそ30m)の高さの群れとなり、雷鳴のような音を立てて信濃坂から上野国に行き散らばった」という意味で「蝿(はえ)」と記述されていますが、当時はまだ「蜜蜂」という言葉がなかったためといわれています。

その後、皇極2年 癸卯(西暦643年)の件で「是歳、百済の太子余豊、蜜蜂の房四枚を以て、三輪山に放ち養ふ。而して終に蕃息らず。」という記述があります。
これは「百済の王子が奈良県の三輪山に蜜蜂を離して養蜂を試みたが失敗した」という記述なので、少なくともこのころにはミツバチや養蜂が存在していたと考えられています。

「はちみつ」が記述として現れるのは「続日本紀」天平11年(西暦739年)12月の件。
日本の対岸である「渤海国(ぼっかいこく)」から献上品として「大虫皮(虎皮)・羆皮各七張・豹皮六張・人参三十斤、蜜三斗」を差し出されたという記述があります。
この「蜜」がはちみつのことといわれています。

それ以降の文献にも国内での献上品としてはちみつが使われていたり、江戸時代には養蜂の方法の記述が見られています。
イギリスの古いことわざで「The history of honey is the history of mankind.(蜂蜜の歴史は人類の歴史)」ということわざがありますが、日本でも古くから存在していたことを考えると納得できますね。

 

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はちみつが出来上がるまで

ところではちみつといえば「ミツバチが花から集めた蜜」のことなので「花の蜜」と同じ・・・と思っている方がいるのではないでしょうか。
しかし、はちみつは単純に花の蜜を集めても出来ません。
はちみつとして完成するまではミツバチによって様々な工程を通ります。

花の蜜は、ショ糖(砂糖の主成分)を含んだ約60%が水分の状態です。

これを収集係のミツバチが「蜜のう」と呼ばれる一時的に花の蜜を蓄えるための器官に溜めていきます。
蜜のうには30~50mgの花の蜜を貯めることができ、これはミツバチの体重のおよそ半分ほどの量になります。
蜜のうがいっぱいになるとミツバチは巣へと帰っていきます。

収集係のミツバチが巣に到着すると、貯蔵係のミツバチに口移しで花の蜜を渡します。
花の蜜を受け取ったミツバチは、口から膜状に引き伸ばして巣の中に詰めていきます。
このとき、ミツバチの唾液に含まれている酵素ショ糖ブドウ糖果糖に分解します。
このタイミングではちみつの主成分とほぼ同じ状態に変わってきます。

しかしこのままだと水分量が多すぎて発酵が進んでしまいます。
そこで今度は羽を羽ばたかせて風を送り、巣の中を乾燥させて水分を飛ばします。
水分量がどんどん減り20%程度の水分量になってようやくはちみつとなるのです。

身体の小さなミツバチは2週間ほど収集係として花の蜜を集めますが、その一生涯で作れるはちみつはわずか4~6gティースプーン1杯程度
ミツバチの一生に一度の努力の結晶だと思うとなんだか愛おしくなりますね。

 

昔から人の生活に寄り添ってきたミツバチ。
そのミツバチが集めてきたはちみつは、一生をかけた食品です。
健康食品の一つとして言われるはちみつ。
ミツバチたちの努力に感謝をしながら味わってみてください。

出典:
『日本書紀通釈 第4 増補正訓』飯田武郷 著. 日本書紀通釈刊行会, 昭和15年
『日本書紀通釈 第5 増補正訓』飯田武郷 著. 日本書紀通釈刊行会, 昭和15年
『六国史 巻3 続日本紀. 巻上,下』佐伯有義 編. 朝日新聞社, 昭和4年

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