知っていても、どう頑張っても見えてしまう。不思議な感覚の錯視。
世の中には不思議な模様が存在します。
違う大きさに見えるのに実際は同じだったり、曲がって見えるのに実際は真っすぐだったり。
そしてそれらの事実を知った後も、知らなかった時と同じように見えてしまう・・・
視覚から得た情報が、必ずしも正しいとは限らないのです。
そんな不思議な感覚を味わえる錯視についてご紹介します。
日常に溢れている目の錯覚
『錯視(さくし)』とは「視覚による錯覚」のことを指します。
「目の錯覚」という表現の方がしっくりくるかもしれません。
錯視は、決して目の機能に異常があるわけではありません。
人間は目で見た情報を脳で処理しますが、ある特定の状況において、実際とは異なる情報を感じてしまう錯覚が起きてしまうのです。
この錯覚の特徴は、予備知識が備わっており注意深く観察したとしても錯覚してしまうこと。
これは人間に備わっている感覚や特性に伴う「生理的錯覚(せいりてきさっかく)」なので、誰にでも同じように起こりうるのです。
今日に至るまで、多くの学者により数多くの錯視が発見されています。
しかし錯視のほとんどは、なぜ錯覚してしまうのかの原因が分かっていません。
説明もあくまでも仮説で立てられているものが多く、まさに現代に生きる謎のような感覚なのです。
実際に体験できる様々な錯視
錯視は文章で説明されてもなかなか想像がつきません。
物は試しということで、ここからは実際に錯視を体験していただきながらご紹介します。
上下に並んだ2本の赤い線があります。
皆さんはどちらの方が長く感じますか。
殆どの人は上の方が短く、下の方が長く見えるのではないでしょうか。
しかし、実際はどちらも同じ長さなのです。
線の長さを判断するときに、周りの黒い線も判断の対象に入ってしまうからだといわれています。

黒線を消すと錯視が消えます
先ほどの「ミュラー・リヤー錯視」を応用したもので、両端に向きの違う矢羽をつけた赤線に黒丸が打たれたもの。
左側の赤線の方が短く見えませんか。
実際は線の中央に黒い丸が打たれています。
外向きの矢羽が付いている方が、短く見えるのです。

線で区切ると分かりやすいですね
斜線が引かれた線が並んでいますが、それぞれの線が左や右に傾いて見えませんか。
でも実際は長い線同士は平行線なのです。
こちらも斜線を消すと平行なのが分かりますね。

斜線を消すとまっすぐに

赤い線が2本並んでいますが、歪んでいるように見えませんか。
これは周りの斜線の影響を受けており、実際は平行線です。
斜線が消えると歪みが消えるのが不思議ですね。

歪みは消えましたか?
横線が上下に並んでいますが、上の方が少し長く見えませんか。
でも実際は同じ長さで、奥行き情報が関連しているのだとか。
距離が近づくと同じ大きさであることが分かりやすくなります。

近づけると同じ長さなのが分かります
T字のように並んだ長方形。
縦は長く、横は太く見えるのですが、どちらも同じ大きさなのです。

位置と向きを合わせると、この通り
四角に遮られて斜線が3本引かれています。
黒は赤と青どちらの斜線と繋がっているでしょうか。
答えは赤で、物体に遮られていると少し上の線の方が繋がっているように見えます。

青と繋がっていそうでそうじゃない
大きく囲まれた丸と小さく囲まれた丸があります。
どちらの丸も同じ大きさですが、囲まれた範囲の大きさによって、小さくも大きくも見えます。

囲いが消えると錯視も消える
片側は平行線がいくつも並び、もう片側には何の線も引かない。
こうすると平行線が並んでいる方が、間隔が広く見えます。
もちろん、実際は同じ間隔です。

線と線の間が多いと長く見えます
幾何学模様の中に中央に向かって渦巻きが見えると思います。
でも実際に指でなぞってみると、実は渦巻きではなく円が並んでいるだけなのが分かります。
円に描かれている白と黒の縞々が錯覚を促しているんですね

背景の幾何学模様を消しても、まだ渦巻きのように見えませんか。
白と黒の四角が並んでいますが、それを区切る灰色の線が傾いて見えますね。
区切っている灰色の線に角度は無く、全て平行線です。
四角を整列させると錯視が消えます。

四角の列を揃えるとあら不思議
それぞれ青の丸に囲まれた赤の丸。
大きい丸に囲まれている方が小さく見えますが、両方とも同じ大きさなのです。
逆に小さい丸に囲まれている方が大きく見えるのです。

周囲の丸が消えると同じ大きさなのが分かります
縦に並んだ扇形がありますが、下の方が長く見えますか。
これも両方とも同じ大きさで、無意識にカーブの部分を比べてしまった結果、下の方が長く見えるのです。

重ねてみると同じ大きさ
こうしてみると様々な錯視がありますね。
アニメーションを見た後にもう一回見ても、やっぱり錯視が起こるのが面白いところです。
他にも種類があるのですが、また別の機会にご紹介できればと思います。
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