美しいよりも可愛いが好き?日本人が惹かれる大和比とは。
街中に溢れる様々な広告や建物、キャラクターなどのデザイン。
その中でもついつい目がいってしまうものに出会ったことはありませんか。
なんか良いなと漠然と感じるその感覚は、日本人がついつい惹かれてしまう比率なのかもしれません。
そんな不思議な比率「大和比」について今回ご紹介します。
人々が美しいと感じる黄金比
大和比に触れる前にまず知っておきたいのが『黄金比(おうごんひ)』と呼ばれるものです。
黄金比は「人間が本能的に美しいと感じる比率」といわれています。
その数式は で表すことができ、小数に展開すると1:1.618になります。
数字ではなかなか実感が湧きにくいため、黄金比を説明する上でよく使われるのが『黄金長方形(おうごんちょうほうけい)』です。
まず縦と横の長さを1:1.618の比率で長方形を描きます。
この長方形から縦の長さと同じ横の長さの正方形を切り取ると長方形ができます。
この長方形は、元の長方形と同じ1:1.618の比率になっているのです。
その長方形をまた正方形と長方形にと区切り続けることで、永遠に同じ比率の図形を作成することができるのです。
また黄金長方形の正方形の四分円を描くように角を繋ぐと、渦巻きを描くことができます。
これが『黄金螺旋(おうごんらせん)』と呼ばれます。
黄金比は世界中を様々な場面で広く使われています。
建物建築で歴史上初めて用いられたといわれているのが、ギリシャの「パルテノン神殿」です。
正面からみた高さと幅が黄金比になっています。
他にもフランスの「凱旋門」、エジプトの「ピラミッド」、スペインの「サグラダ・ファミリア」なども黄金比が使われています。
また芸術では「ミロのビーナス」や「モナ・リザ」にも黄金比が使われているのです。
日本では多く使われている大和比
黄金比以外にも人間が調和が取れていると感じる比率はあります。
そのなかでも日本人が特に好むとされる比率があります。
それが白銀比の一つである『大和比(やまとひ)』と呼ばれるものです。
数式は で表され、小数に展開すると1:1.414の比率です。
大和比を表す上で分かりやすいのが正方形です。
皆さんも学生の時に学習しているかと思いますが、正方形を半分にした直角二等辺三角形。
直角に接する辺を1とすると、正方形の対角線にあたる辺は1.414になります。
また身近なもので実感できるのは紙の寸法。
国際規格であるA判やB判用紙の横と縦の比率は1:1.414になっています。
さらに、この比率の長方形を長辺で2等分した時に出来上がる長方形は、元の長方形と同じ1:1.414の比率を保ちます。
そのため、全てのA判・B判の要旨は1:1.414の比率になります。
日本では古くから黄金比よりも大和比が用いられています。
代表的なのが奈良県にある「法隆寺金堂」と「五重塔」。
法隆寺金堂は2階と1階の屋根の長さ、五重塔は最上階と最下階の屋根の長さが1:1.414になっているのです。
近年の建築物でも大和比は使われており「東京スカイツリー」の第2展望台までの高さと全長が1:1.414です。
親しみを感じ、安心感がある大和比
日本人が大和比を好むことを示唆するのは、人気のあるキャラクターにも見られます。
人気キャラクターでランキングを取ると「スヌーピー」「となりのトトロ」「ミッキーマウス」「ドラえもん」などが上位にランクインします。
これらのキャラクターの代表的なポーズで見てみると、およそ1:1.414になっているのが殆どです。
もしかしたら日本人は大和比に「可愛らしさ」や「親しみ」、「安心感」を感じているのかもしれませんね。
少し興味がある方のために、以下に大和比に親しみを持てるかの簡単なイラストを用意してみました。
全く同じキャラクターの縦と横の比率を変えて並べます。
それぞれどちらかに「美しい」または「可愛い」と感じたか当てはめてみてください。
それぞれの画像の比率は以下の通りです。
角度や位置なども色々変えてみましたが、実際に選んでみていかがだったでしょうか。
同じ内容の広告でも縦と横の比率を変えるだけで、その印象がガラッと変わります。
馴染み深い大和比は、私たち日本人の本能に訴えかける特別な比率なのかもしれませんね。
皆さんも何かデザインを考える機会があった時、大和比を意識してみるのはいかがでしょうか。
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