耳で感じる心地よい音。感じ方が千差万別のASMRとは。

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毎日を過ごしていると、疲れてしまったり息抜きをしたいと感じることがありますよね。
色んなストレス発散方法がありますが、最近はその中の一つに「ASMR」が挙がってくることがあります。
インターネットで検索をしてみると「ASMR動画」が多数ヒットします。
巷で流行しているASMRですが、実際はあまりよく分からないという方もいるでしょう。
本日は、広く認知されるようになってきた「ASMR」についてご紹介します。

 

そもそもASMRってなんの略?

試しにYouTubeなどで「ASMR」と検索すると、日本内外の沢山の動画が表示されます。
『ASMR』Autonomous Sensory Meridian Response(オートノマス センサリー メリディアン レスポンス)」の略語です。
そのまま「エー・エス・エム・アール」と読みますが「アスマー(エイスマー)」「アズマー(エイズマー)」と読むこともあります。
日本語に訳すと「自律感覚絶頂反応」となります。
なんだか仰々しい印象ですね。

ASMRは2010年にアメリカの「ジェニファー・アレン」という女性が作った造語です。
始まりは遡ること2007年10月、「steadyhealth.com」というフォーラムサイトに立てられたあるスレッドでした。
タイトルは「WEIRD SENSATION FEELS GOOD(奇妙な感覚が気持ちいい)」というもの。
投稿者からは「日常生活の中であるきっかけでこの感覚を得られ、それが不思議と快感だと思う」と綴られていました。
このスレッドには多くの賛同者が集まり、皆それぞれのきっかけを挙げていました。

予てから同じ感覚を持っていたジェニファーさんは、このスレッドのディスカッションに参加しました。
その中でさらに幅広く情報共有が必要だと感じた彼女は、Facebook上にコミュニティグループを立ち上げます。
そしてその際にこの感覚に「ASMR」と名付けたのです。
以降、ASMRは世間に広く認知され、日本でも2013年頃からネット上を中心に少しずつ名称が使われるようになりました。

さて、ASMRとはどのような感覚なのでしょうか。
あえて言語化すると「頭皮や首筋、背筋に走るゾクゾクとするような心地よさ」を感じるといわれています。
人によっては「脳がゾクゾクする」と感じることもあるようです。
共通して言えるのは「不快ではなく、むしろ快感である」のがASMRなのです。
ASMRを活用することにより、原因不明の痛みが続く症状「慢性疼痛(まんせいとうつう)」「睡眠障害」が改善されたり「ストレスが解消された」という報告もあるようです。
ただし、ASMRは未だに科学的な実証はなく、詳細なメカニズムも解明されていません。
現在も研究が進められており、まだまだ謎が多い分野といえます。

 

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ASMRを引き起こすきっかけ

ASMRは「聴覚や視覚などの刺激を受ける」ことにより、引き起こすことができるといわれています。
この「刺激」『トリガー』と呼ばれています。
トリガーは一般的に4種類のカテゴリーに分けられます。

聴覚の刺激
ASMRの代表的ともいえるトリガーは『聴覚(ちょうかく)』によるもの、つまり『音』です。
リラックスする音といえばオルゴールやヒーリングBGMなど「音楽」が思い浮かびます。
しかしASMRにおける音とは「物体が動作した時に発する音」「日常生活の中で聞こえる生活音」を指します。

例えば、キーボードやタイプライターを叩いた時の「タッピング音」には、音楽の様にリズムやフレーズはありません。
同様に何かを食べている時の「咀嚼音」や水が流れたり焚き火が燃えたりしている時の「自然音」なども聴覚のトリガーになります。
他にも小さく「囁いた声」「耳かきをされている時の音」などの生活音がトリガーになるのです。

視覚の刺激
ASMRの大事なもう一つのトリガーは『視覚(しかく)』による『目で見た仕草や風景』です。
ASMRが緩やかな快感であることが多いため、ゆったりとした「優しい動き」がトリガーになりやすいです。
また、先ほどの聴覚の刺激に紐づくような「音を発生させる動作」もASMRを引き起こします。

例えば、肌に触れるような「身体の動き」や微笑むなどの「表情の動き」は視覚によるトリガーです。
音を発生させるために「削る」「切る」「擦る」などの動作もトリガーになります。

触覚の刺激
聴覚や視覚以外の物理的なトリガーは「皮膚に触れた時の感触」である『触覚(しょっかく)』です。
手や指だけでなく足や顔、背中や頭など身体の様々な部位から得られた感触がトリガーになります。
また「自分から相手に対して行った時の感触」もあれば「相手から自分に対して行われた時の感触」もあります。
主観的・客観的どちらもASMRを引き起こします。

個人の嗜好
ASMRの中でも重要なのは、個人が持つ『シチュエーションに対する好み』です。
上述の聴覚・視覚・触覚は誰もが感じることができる感覚ですが、それに対して「どのような気持ちになるか」は人によって異なります。

例えば「咀嚼音」といっても、食べているものが固いのか柔らかいのかによって、音が変わりますよね。
そもそも他人の咀嚼音自体が嫌いな人もいます。
また、感覚を得た「経験則」により、楽しいこともあればトラウマになっていることもあります。
トリガーは個性の様に一様にはならないのです。

 

ASMRを引き起こす動画

千差万別といわれるASMRですが、全体的な傾向を見るとトリガーは似通っていると言えなくもありません。
そのためYoutubeなどの動画共有サイトでは、ASMRを引き起こすトリガーを意図的に組み入れた動画が多く作られています。

ASMR動画で重視されているのは「実際にその場にいるような感覚を味わえること」、所謂『疑似体験(ぎじたいけん)』できることです。
ASMRのトリガーは大抵一つに限らず、複数が組み合わさったものになります。
「聴覚」「視覚」を組み合わせて「シチュエーション」を作り、それを視聴者が見て「触覚」を想像する。
この一連の流れで「疑似体験」できるのがASMR動画なのです。

ASMR動画を見る時にオススメしたいのは『カナル型イヤホン』を装着することです。
スピーカーから音を聞くよりも、自身の耳元で音を聞く方が疑似体験に近くなります。
またカナル型イヤホンは耳の穴にフィットし、音をダイレクトに聞きやすいのも特徴です。
安価な物でも十分楽しめるので、一度試してみてはいかがでしょうか。

 

ASMRが全ての人間が引き起こす生理現象なのかは実証されていませんが、似たような経験をした人が沢山いるのも事実です。
実際にASMR動画を見た人は「リラックスした」と感じたり「見ていてなんだか気持ち良い」と好感を示したりすることも多いです。
少し仕事に行き詰った時や心が疲れてしまった時に気分転換として見てみるのも良いかもしれませんね。

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