潜在意識に訴えかけているって本当?ちょっとした騒動にもなったサブリミナル効果とは。

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人間は自らの意識を持って行動するのが当たり前ですが、時には自分自身が把握できていない「潜在意識」というものがあります。
所謂「無意識」ともいわれるもので、意味通りであれば何者にも干渉されない意識です。
しかしこの「潜在意識に外部から働きかけること」をテーマに研究されている心理学があります。
その名も「サブリミナル効果」と呼び、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
今回は、サブリミナル効果とはどんなものなのかをご紹介します。

 

無意識に働きかける効果

『サブリミナル効果(さぶりみなるこうか)』とは『閾下知覚(いきかちかく)』とも呼ばれてます。
『閾下(いきか)』とは、心理学において「とても小さい刺激のため、生体に反応が起こらない状態」のことを指します。
反応が起こらないということは、自身が把握できていないのと同義であり「無意識」又は「潜在意識」のことです。
つまりサブリミナル効果は「意識的には認識できない知覚を相手の潜在意識下に働きかけることにより現れる効果」のことをいいます。

サブリミナル効果で一番重要なのは「相手に認識されていない状態であること」です。
例えば、あなたが友人と食事をすることになり、なにを食べるかを決めているときに、ハンバーグが食べたくなったときどうしますか。
殆どの人は「ハンバーグが食べたい」と素直に友人に伝えますよね。
では会話の中で「おいしそうでしょ?」とハンバーグの画像を見せたり、ハンバーグがいかに素晴らしいかを語ったりして、ハンバーグを食べたくなるように誘導するのはどうでしょう。
どちらも直接的・間接的の差がありますが、少なくとも「相手はハンバーグを認識している」ことには変わらず、これはサブリミナル効果とはいえません。

ならば単純に「ハンバーグ」という単語を聞かせなければ良いのかというと、そういうわけでもありません。
「ひき肉を使った洋食」などと連想ゲームのように伝えても、相手がハンバーグという存在を「意識した」時点で、それは「無意識」とはいえないのです。

 

有名なサブリミナル効果の実験

ではどうすれば、サブリミナル効果と言えるのでしょうか。
分かりやすい例として、サブリミナル効果を語るうえで最も有名な「とある実験」があります。

19世紀頃のアメリカは、暗示や催眠など心理学の分野への関心が高まっている時代でした。
サブリミナル効果の原理もこの頃には登場しています。
そんな中、1957年9月に「ジェームズ・ヴィカリー」と呼ばれる市場調査員が、ニュージャージー州フォート・リーの映画館で「Picnic(ピクニック)」と呼ばれる恋愛ドラマ映画の上映中に実験を行いました。
映画のスクリーン上に「Drink Coca Cola(コカ・コーラを飲め)」「Hungry? Eat Popcorn(腹が減った?ポップコーンを食べよう)」という文字が書かれたスライドを5秒ごとに3000分の1秒間だけ上映作品に二重に映写しました。
3000分の1秒間はあまりにも一瞬のため、観客が認知することができない早さです。

実験は6週間に渡って実施され、その結果コカ・コーラの売上げは18.1%、ポップコーンの売上げは57.5%上昇したというのです。
この実験はマスコミに取り上げられ、人々に大きな衝撃を与えました。
結果が事実なのであれば「本人が気づかぬうちに購買の意思を意図的に操作することが可能」だと証明されてしまうからです。
「相手を自身の望む結果に導くことができる」ということは「洗脳」となんら変わりません。
それがサブリミナル効果なのです。

 

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実際は効果が無いってほんと?

「自分が他人に操られてしまうかもしれない・・・」
ヴィカリーの実験結果を受けて人々に不安が募る中、実験の信ぴょう性を確かめるため、1958年に「カナダ放送局(CBC)」「Close-up(クローズアップ)」という番組の中で新たな実験を行いました。

これからサブリミナル効果の実験を行うことを視聴者に断り、何が映写されるかは伏せたままで「telephone now(今すぐお電話を)」というメッセージを3000分の1秒間ずつ、放送時間中に合計352回表示させました。
この条件はヴィカリー実験と同様に、人には認知できない表示速度です。
しかし放送後になっても、放送局に電話を掛けてくる人は現れませんでした。
また「放送中に何かを感じたか」を手紙で送るように訴えていましたが、番組に寄せられた500通以上の手紙の中には、電話を掛けたくなった旨を書いたものは無かったのです。

ついに1962年には「Advertising Age(アドバタイジング・エイジ)」という雑誌の中で、ジェームズ・ヴィカリー自身が「マスコミに情報が漏れた時点では、まだ実験はしていなかった」ことを告白しました。
曰く、研究をしていたことは事実なのですが、根拠のある十分なデータが無い状態にもかかわらず発表してしまったのだそうです。
この告白により、サブリミナル効果を科学的に立証するものは無くなってしまったのでした。

では「サブリミナル効果は存在しない」と断言されているのでしょうか。
実はそういうわけでもなく「限定的な条件下」であれば、サブリミナル効果は存在するといわれています。

ある実験では、パソコンで課題をしている被験者の画面に認知されない速さで「Lipton Ice(リプトンアイス)」という単語を繰り返し表示させました。
その結果単語を表示された被験者は、課題中にリプトンアイスを飲む割合が多くなったそうです。
詳しく実験を進めると、単純に全ての人が当てはまるわけではなく「被験者はリプトンアイスが好きだが、頻繁には飲んでいない」「被験者は喉が渇いている状況である」という条件下で見られたというのです。
別の実験では「被験者が疲れている程、サブリミナル効果を受けやすい」という結果も出ています。
相手の好みや考え方・状況などを限定すれば、サブリミナル効果はあるといっても良いかもしれませんね。

 

広告業界や放送業界に影響を及ぼしたサブリミナル効果

前述の通り、サブリミナル効果で人間の意思を操作できるとは言い切れません。
しかし研究の結果が知られてもなお、サブリミナル効果は危険視され続けています

1970年代にアメリカとカナダにおける事象によると。
テレビ放送されていたアナログゲームのコマーシャルの中に「Get it(分かった)」という文字を一瞬表示させていました。
この文字は先の実験とは違い、一瞬というものの普通に見える早さなので、厳密にはサブリミナル効果とは言えないかもしれません。
しかし、このコマーシャルが放映されると「洗脳しようとしている!」と批判が殺到。
「サブリミナル効果が広告で用いられている」と書かれた本も出版されたことから、1974年には「サブリミナル広告は、公の利益に反する」とされ、アメリカやカナダで禁止されました。

日本ではヴィカリーの実験報道を受けて間もなく、元々コマーシャルで使われていた「字幕を点滅させる手法」やラジオ番組中の「ささやくような声で商品名を挿入する手法」に対して苦情が殺到し、いち早く取りやめになりました。
更に国内で宗教団体の事件が問題になっていた頃、アニメーションやニュース番組、特別番組などで「宗教団体代表の画像を挿入する事象」が度重なりました。
結果、1995年には「日本放送協会(NHK)」、1999年には「日本民間放送連盟」がそれぞれの番組放送基準で「サブリミナル的な表現方法を禁止する」ことを明文化しました。

このように世界各国でサブリミナル効果が禁止されていますが、その理由は「サブリミナル効果に洗脳効果があるため」ではなく、「例え相手が知覚できないものでも、承諾無しで見せることは不正であり、欺いているのと変わらない」といった倫理的な観点によるものです。
科学的には限定的であり、明確な効果は実証されていませんが、誰かが知らないうちに自分を操ろうとしているのかもしれないという不安が、今も危険視され続けている原因なのかもしれません。

サブリミナル効果の原理は人々の興味をそそり、エンターテイメントとして作品の設定にも使われていることがあります。
またサブリミナル効果を使った音楽というのも存在し、周波数や音などを用いることにより、リラックス効果や精神状態の改善を期待できるといわれています。
決して悪用してはいけませんが、使い方によっては芸術面や技術面で有用な効果をもたらし、私たちの生活の質も向上させてくれるのかもしれませんね。

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