二十四節気から感じる季節~大雪~
ついに1年の最後の月、12月を迎えました。
二十四節気に関連する行事や由来から、季節を感じるこのシリーズも折り返しとなります。
今回ご紹介するのは12月の二十四節気「大雪」。
名前から想像できそうですが、いったいどんな季節だったのでしょうか。
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全国的に雪が降る季節
『大雪(たいせつ)』は冬の二十四節気の一つで、2021年では12月7日(火)にあたります。
暦の解説書「暦便覧(こよみべんらん)」では「北国や山岳部だけでなく、平野にも雪が激しく降り始める頃」と記されています。
確かに12月になると、都市部でも雪がちらついているような気がしますね。
雪は季節を感じることのできる自然現象の一つ。
冬になると日本では主に日本海側で雪が降ることが多くなりますが、これはお隣のユーラシア大陸のシベリア付近で冬に発達した『シベリア高気圧』の影響によるものです。
冬になると緯度が高く、太陽の光が当たりづらいシベリア付近の空気は冷やされていきます。
冷やされた空気は暖かい空気よりも重いため、地表近くに溜まっていきます。
また、南部にある標高の高いヒマラヤ山脈などに空気の流れがせき止められてしまうので、さらに冷たい空気が溜まり続けることにより、シベリア高気圧へと変化します。
一方、日本列島の東側には北極付近の冷たい空気と赤道付近の暖かい空気がぶつかり合う影響で『アリューシャン低気圧』が発生します。
冬になると上記の気圧が、日本列島の西側に高気圧、東側に低気圧を配置されます。
これを『西高東低(せいこうとうてい)』の気圧配置といいます。
空気は気圧の高いところから低いところに向かって流れる性質があるため、西高東低になると西から強い寒気団が押し寄せます。
天気予報ではこの寒気団を「冬将軍(ふゆしょうぐん)」と名付けて擬人化されていますね。
寒気が日本海を吹き渡るときに、海から水蒸気を取り込んで湿った空気になります。
湿った空気は日本列島の中央部を走る山脈にぶつかって上昇気流となり、雲を発生させて雪を降らせるのです。
年末年始に向けて準備が始まる頃
大雪の頃から年末年始に向けて様々な準備が始まるので、各地で慌ただしくなります。
以前ブログでご紹介した「針供養」や「正月事始め」を行うのもこの時期です。
◇針供養についてのブログはコチラ
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それ以外にも12月に開催される市『年の市(としのいち)』も開催され始めます。
年の市は、江戸時代の1658~1661年頃に浅草で開催されたのが始まりといわれています。
主にしめ縄などのお正月関係や縁起物が販売されますが、雑貨や日用品なども販売されています。
これは、服など普段使っているものを新年から新しく下ろすと、災いなどの厄を祓って身を清めることができると考えられていたためです。
普段から定期的に市は開催されていましたが、年の市はお正月の準備もあってか特に活気に溢れていたのだとか。
その後、商店などが発達したため開催される数は少なくなりましたが、今でも日本各地で行われています。
浅草の年の市はどうなった?
年の市の始まりのきっかけとなった浅草では、現在ではその様相を変えて『羽子板市(はごいたいち)』が開催されています。
羽子板の起源は平安時代に楽しまれていた「毬杖(ぎっちょう)」という、木の杖で毬を打ちこむ遊びだといわれています。
その後杖は板に、毬は羽となり、羽根を打ち合う「羽根突き」へと変化していきました。
昔、羽子板は「胡鬼板(こぎいた)」、羽根は「胡鬼子(こぎのこ)」といわれていました。
「胡鬼」とはトンボのことで、当時疫病の元と考えられていた蚊を食べるトンボを打ち合う遊びから、子どもが蚊に刺されないように厄除けを祈願したといわれています。
また胡鬼子に使われる黒い玉は「無患子(むくろじ)」という木の種子で「子供が患わない」と読めることにも厄除けの願いが込められているのが分かります。
その後遊戯とは別に、女児の厄除けを込めた飾りものとして「飾り羽子板」が作られるようになり、年の市で縁起物として販売されるようになります。
江戸時代の頃になると、綿を布や和紙で包んだものを貼り重ねて作る「押絵(おしえ)」を装飾した「押絵羽子板」が作られるようになりました。
中でもその時人気であった歌舞伎役者の押絵を貼った羽子板が大流行し、自身が好きな役者の羽子板を求めて人々が集まるようになりました。
縁起物としても美術品としても扱われる羽子板は、いつしか市で扱われる主流商品となり、現代に至るのです。
大雪を迎えるといよいよ今年も終盤。
雪が降るほどの寒さと年末年始の準備の忙しさが、一層冬を感じさせてくれます。
皆様も体調を崩さないようにして、素敵な新年を迎えるために準備を進めましょうね。
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