お正月に向けて着々と準備を。『正月事始め』の時期です。

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何かと慌ただしい12月。
1年の締めくくりのため、日々忙しくされる方も多いでしょう。
また、お正月に向けての準備を始めるタイミングでもあります。
「お正月に向けての準備を始めること」を『正月事始め』と言いますが、みなさんは正月事始めの日付やどのように決まったのか知っていますか?
今回は、そんな正月事始めの由来と行われる内容についてご紹介します。

正月の準備(事)を始める日

「正月事始め」とは、お正月を迎える準備を開始する日のことを指し、現在では毎年12月13日にあたります。
昔は、12月の中旬あたりからお正月を迎える準備を始めていましたが、日付が定着したのは「宣明暦(せんみょうれき)」と呼ばれる中国の暦法によるものです。
この宣明暦は、江戸時代の中期あたりまで使用されていたもので、暦を作成する基準になる星宿(せいしゅく)の分割法に「二十七宿(にじゅうしちしゅく)」を使用しています。
これに日付を合わせると、12月13日は必ず『鬼宿日(きしゅくにち)』にあたります。

<二十七宿の順序の図>
「鬼宿日」は、婚礼以外の全ての事柄に関しては大吉の日になるため、お正月の準備を開始する日にふさわしいとして「正月事始め」として定着していきました。但し、地域によっては12月8日(事始めの日)から正月の準備を始める地域もあります。

 

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正月事始めの行事① 煤払い

正月事始めを迎えた際、行うことの一つに『煤払い(すすはらい)』があります。
よくニュースでお寺や神社の煤払いを行う様子を見るのではないでしょうか。
「煤払い」は新年の神様の「年神様」をお正月に迎えるために1年分の汚れを落とす大掃除のことです。
昔は、竈や囲炉裏がある家が多く、火種に薪や炭を使用していたため、壁や天井には煤が付きやすい状態でした。
そのため、煤を落とすことが当時の「大掃除」にあたります。
また、煤払いには家の中を清める意味もあり、汚れも邪気も払うことによって年神様がたくさんのご利益を持ってくるといわれていたため、昔の人は煤払いに精を出したといわれています。

正月事始めの行事② 松迎え

もう一つの行うことに『松迎え』というのがあります。
お正月に家の門前に飾るものといえば、「門松」ですよね。
そもそも、門松は新年に年神様が迷わずに家に来られるようにするための目印の役割があります。
また、年神様が家に到着後は、暫く留まるための依り代としての役割も持っています。
門松に松を使用するのは、「神を待つ」あるいは「神を祀る」にかけていたり、松は常に緑であることから神様が宿る木と考えられていたため、年神様を迎えるのにふさわしい木に選ばれました。
正月事始めには、門松の松をおせち料理の準備に使用する薪と一緒に恵方の山から切り出しに行くため、これを「松迎え」と呼んでいました。

正月事始めに大忙しの『年男』

正月事始めから忙しくなってくるのは『年男』と呼ばれる男性です。
現在は、その年の干支と同じ干支生まれの男性のことを指す言葉ですが、元々は正月を中心とした家族行事の主役を務める男性のことを指します。
年男はその家の家長が任にあたり、暮れの大掃除、先ほどご紹介した松迎えを含む正月の飾りつけ、年神様へのお供え物、おせち料理の準備など、お正月にかかわる全般を取り仕切っていました。
しかし、次第にその任は長男や奉公人などの若い人が担うようになったといわれています。

毎年何となくお正月の準備を始めだす人も多いとは思いますが、「正月事始め」には様々な意味が込められています。
今年はその意味を考えながら事を始めてみるのも良いのではないでしょうか。
私も大掃除がいつもギリギリになってしまうので、今年は早いうちから取り組んでみようと思います。

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