二十四節気から感じる季節~夏至~
あっという間に6月も後半ですね。
この時期になると日が落ちるのが段々と遅くなってきます。
外は明るいのにもうこんな時間・・・!と驚くことも増えますね。
今日は二十四節気シリーズの7弾、6月21日(月)に迎える夏至についてご紹介します。
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北半球は1年で一番昼が長い日
『夏至(げし)』は二十四節気の夏の節気の一つです。
夏至といえばよく耳にするのが「日本の1年の中で昼が一番長くなる日」というもの。
どのような原理で昼が長くなるのでしょう。
以前、二十四節気の春分をご紹介した時に「春分点」について触れました。
地球の自転軸に対して直角な理論線を「赤道」といいますが、太陽に対しては直角ではなく少し傾いています。
そのため地球から見た太陽の通り道である「黄道」も、赤道より傾きます。
また地球上の座標を表す方法に「経緯度」があります。
このうちの緯度は、赤道面からの天頂への角度を表しており、赤道面を0度として北へ傾くと「北緯」、南へ傾くと「南緯」と表します。
先ほどの黄道上を太陽が1年をかけて1周すると傾いている角度分、赤道を挟んで北緯と南緯の間を往復しているように表されます。
この往復したときに北緯と南緯共に最も高緯度になる緯度の線を『回帰線(かいきせん)』と呼び、北緯側を『北回帰線』、南緯側を『南回帰線』といいます。
回帰線は年月の経過で少しずつズレていますが、大体「緯度23度26分」になります。
北半球が夏至の時、太陽は北回帰線上に位置します。
地球が1回自転すると1日となりますが、太陽が北緯に位置すると地球が自転した時に北半球に太陽の光が当たっている時間が長くなります。
『太陽の光が長く当たる』ということが『夏至の時に最も昼が長くなる』ということの仕組みになります。
夏至は田植えで忙しい
日本には二十四節気ごとに様々な風習がありますが、夏至には全国的に行う風習がありません。
これは夏至の時期が田植えなどの農作業が一番忙しい時期だったためと考えられています。
しかし夏至には農業の指標である雑節が一つ存在します。
それが旧暦の夏至から数えて11日目から5日間『半夏生(はんげしょう)』と呼ばれる雑節です。
「烏柄杓(カラスビシャク)」という薬草は、夏の半ばに生えるため「半夏(はんげ)」と呼ばれており、その半夏が生えてくる時期だったため半夏生と名づけられました。
烏柄杓は乾燥させて生薬にも使えますが生のままだと毒草なため、半夏生は「毒草が生える不順な頃」といわれていました。
そのため「半夏生には天から毒気が降る」「地面が陰毒を含むので採った野菜を食べてはいけない」「夏至の後、半夏生に入る前に田植えを終わらせないと秋の収穫が減る」などの伝承があります。
しかし実際は、年中忙しくする農家を休ませるためにわざと悪い時期と考えさせた雑節といわれているようです。
半夏生に食べられる色んな食べ物
半夏生は農家にとって農業の目安になる雑節です。
そのため各地でゲンを担いだものを食べる風習があります。
■タコ
関西地方では半夏生にタコを食べる風習があります。
これはタコの吸盤に因んで、田植えした稲がしっかりと根付いて実りが多くなるように願いが込められています。
■半夏生餅(はんげしょうもち)/小麦餅
昔の農業は春から秋にかけて稲を育て、秋から翌年の春までは麦を作る二毛作が主流でした。
大阪の河内長野や奈良県の一部の地域では、田植えが一段落すると収穫していた麦ともち米を併せてついた餅にきな粉をまぶした『半夏生餅』を食べます。
元々は田の神様へのお供え物として作られていたそうです。
関東でも同じように小麦ともち米で餅をつくのですが、こちらは『小麦餅』と呼んで焼いて食べます。
■うどん
香川県の讃岐では田植えの労をねぎらって収穫していた小麦でうどんを打って食べます。
うどんを愛する香川県らしいですね。
■半夏生さば(はげっしょさば)
福井県では半夏生に漁獲する脂ののったサバを丸焼きにして食べる風習があります。
昔の殿様が暑い夏を乗り切るための栄養補給として領民に食べるようお触れを出したのが由来といわれています。
ただ昼間が一番長い日というだけでなく、農業が一息つく時期でもあります。
夏もそろそろ本番になっていくころ。
夏至のタイミングで精力をつけて、今後の夏に備えましょう。
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