二十四節気から感じる季節~冬至~

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すっかり夜が長くなる季節になりました。
前回お話ししましたが、日本は季節の指標として、古代中国に考案された『二十四節気』を暦に取り入れています。
「夏至」や「立冬」など聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
普段何気なく使っている言葉ですが、その背景を知ることにより、より季節を身近に感じられるようになると思います。
今回は二十四節気の中から「冬至」の習慣について触れたいと思います。

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冬至の由来

『冬至(とうじ)』とは、日本が位置する北半球において太陽が1年のうちで最も低い位置にくるため、夜が一番長くなる日です。
古来、この日を境に今度は昼の時間が長くなっていくため、太陽が生まれ変わる日と考え、暦上では1年の始まりの日とされていました。
また、太陽の力が徐々に強まり蘇っていくことから、「陰が極まり、陽に転じる日(運気上昇に転じる日)」とされ「一陽来復(いちようらいふく)」と言われています。

しかし、それと同時に太陽の力が一番弱まる日のため太陽の恵みを享受できず、生命が終わるとして「死に一番近い日」ともいわれています。
人々にとっては農業が生活の中心であり、そのことによる不安が大きかったため、その厄を払って無病息災を祈願するために様々な習慣が現在まで続いています。

無病息災祈願の柚子湯

皆さんになじみがある習慣として「柚子湯」が思い浮かぶ方が多いと思います。
この風習は、前述の「一陽来復」の運気を取り入れる前に体の厄払いをするための禊として身を清めるために行われたといわれています。
柚子は旬の冬には香りが強くなり、この香りが邪気を払うと考えられていました。

また、柚子=「融通(ゆうずう)」がきく、冬至=「湯治(とうじ)」とかけて縁起がいいとされ、遡ること江戸時代から親しまれている習慣となりました。
そのほかにも「実るまでに時間がかかるため、長年の苦労が実るように」という願いや「寿命が長く病気にも強い果物」にかけているともいわれています。
実際に柚子には血行を促進し体を温める成分が含まれていることから、風邪を予防する効果が期待できます。

 

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冬至の七種で運盛り

「一陽来復」にあやかって、冬至の日に「ん」がつくものを食べる風習「運盛り(うんさかり)」というのもあります。
これは「ん」=「運」=「運がつく」にかけているそうです。
その中でも「ん」が2つ含まれる食べ物を「冬至の七種(とうじのななくさ)」といい、通常の「ん」がつく食べ物よりもさらに縁起が良いとされています。
これらはただ運が良いと考えるだけでなく、寒い時期にリスクが高まる風邪や脳卒中の予防に適した栄養素が含まれており、この時期に積極的に取り入れたい食べ物でもあります。

南瓜:なんきん(かぼちゃ)
人参:にんじん
蓮根:れんこん
銀杏:ぎんなん
金柑:きんかん
寒天:かんてん
饂飩:うんどん(昔のうどんの呼称)

 

今年の冬至は12月21日(月)です。
これからさらに寒さが厳しくなる季節になるので、体をしっかり温めたり、栄養のある食べ物を食べて冬を乗り越えていきましょう。

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