今が「旬」なたべものたち《えんどう》
暖かいと感じていた日から、段々と暑くなる季節の狭間。
春から初夏までの季節は、比較的過ごしやすい季節です。
この時期に多く出回っているのは旬である「えんどう豆」です。
しかし「えんどう」という似たような名前や形の豆もちらほら見かけます。
これらはえんどう豆との違いはあるのでしょうか。
今回は春先から初夏にかけて見かける「えんどう」をご紹介します。
実だけ食べるえんどう、さやも食べるえんどう
みなさんは「えんどう豆」といわれるとどのような姿を想像しますか。
パッと思い浮かぶのは緑色で三日月型のさや、中には丸い豆がコロコロとしている・・・という姿が浮かぶと思います。
ではその想像した「えんどう豆」は、中の豆だけを食べますか。
それともさやごと食べますか。
実はえんどう豆は『えんどう』というマメ科の野菜の中に分類されます。
えんどうは、中の実だけを食べる「実えんどう」と、さやも丸ごと食べる「さやえんどう」という2つの状態に分けられます。
この二つの違いは、ずばり収穫したタイミングによるものです。
「さやえんどう」は、さやごと食べるためにさやが硬くなる前に若採りをした状態。
「実えんどう」は、中の豆がある程度大きくなってから収穫した状態になります。
えんどうの中で代表的なものといえば「さやえんどう」「グリーンピース」「えんどう豆」です。
これらは元を正せば同じ品種の豆で、若採りをすると「さやえんどう」、ある程度大きくすると「グリーンピース」、それよりさらに成熟させると「えんどう豆」となります。
言うなれば出世魚のような感覚ですね。
但し、現在では「実えんどう」と「さやえんどう」をそれぞれの用途別に栽培するのが一般的です。
旬として考えた時は収穫するタイミングが少し違うだけなので、いずれのえんどうも春先の3月から初夏の6月に旬を迎えます。
ちなみにえんどうが豆に生長する前の若菜の状態で食べられているものが「豆苗(とうみょう)」にあたります。
「実えんどう」も「さやえんどう」も同じ存在のようなものなんですね。
度々見かける「グリンピース」苦手問題
実えんどうである「グリーンピース」。
私自身は好きな野菜ですが、あまり好きではないと知人から言われることがよくあります。
嫌いな理由を聞いてみると「あの青臭さがイヤ」「皮が硬くて口に残るのがイヤ」というのが多い気がします。
同じ実えんどうの「えんどう豆」は、豆大福や豆かんなどに合わせて加工されることが多いため、嫌いな人は少ないのですが…
しかし、若いえんどう豆にあたる「グリーンピース」は食物繊維が多く、糖質からエネルギーを作り出すビタミンB1が豊富です。
またマメ科のため、植物性のたんぱく質も多く含まれています。
他にも活性酸素を抑える「カロテン」やナトリウムを排出する「カリウム」も含まれています。
栄養面でも逃せない野菜なので美味しい旬の時期には、ぜひとも食べていただきたいところ。
そこで少しでもグリーンピースを美味しく食べられるような豆知識をいくつかご紹介します。
■グリーンピースの選び方
グリーンピースの「口の中に皮が残る問題」。
確かにグリーンピースを食べているとたまに異常に皮が硬く、気が付けば中の柔らかい部分だけ飲み込んでいるという時があります。
成熟しきる前に収穫するグリーンピースは、成熟が進むとどんどん皮が硬くなっていきます。
そのため、スーパーで買う時には出来る限り成熟が進んでいないグリーンピースを選びましょう。
さやの色が鮮やかな緑色でふっくらとしたものを選ぶようにしてください。
■グリーンピースの保存方法
グリンピースがさやから剥かれ豆だけの状態で売られているのを見たことはありませんか。
グリーンピースを含むエンドウ豆は乾燥に弱く、さやから剥いた状態でそのまま保存するとすぐに乾燥して皮が硬くなります。
出来ればさやつきのものを購入し、保存時はさやから剥かずに乾燥しないようにして冷蔵庫で保存しましょう。
どうしてもさやから剥いた状態だけしかない場合は、水に浸して保存し早めに使い切るようにしましょう。
長期間保存する場合は、さやから剥いてサッと固めにゆでて水分が多い状態で冷凍保存するようにしましょう。
■グリーンピースの代わりに
グリーンピースの「青臭さ問題」は、味自体にかかってくる部分でもあります。
そこで個人的にお勧めしたいのがグリーンピースの品種改良種である「うすいえんどう」です。
関西地方で栽培されている品種で、グリーンピースよりも皮が薄く口当たりが良いことと、青臭さも少ないのが大きな特徴です。
あまりグリーンピースが得意でない知人に勧めたところ「これなら食べられる!」と言わしめたほど。
豆ごはんや卵とじで食べると美味しいのでお試しあれ。
旬の採れたてのえんどうは、普段よりも全体的に柔らかく食べやすく感じます。
冷凍加工されて売られていることが多い食材ですが、ぜひこの時期の生のものを食べてみてくださいね。
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