今が「旬」なたべものたち《なす》

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夏になるとさっぱりしたものが食べたくなりますね。
そのせいなのか、いつもよりも野菜が美味しく感じるような気がします。
旬を迎えるものは、その時期を快適に過ごすのを手助けしてくれる成分を沢山含んでいます。
本日は、つやりとした紫の夏野菜「なす」をご紹介します。

 

世界中で食べられている野菜

紫色がなんとも鮮やかな野菜『なす』
なすはインドが原産で、今では世界中で食べられている野菜です。
日本には7世紀から8世紀頃に伝わったとされ、東大寺正倉院にある奈良時代の古文書にも記載があります。
当初、なすは貴族が食べる高級品でしたが、江戸時代に日本国内で広く生産されるようになってからは、庶民にも馴染み深い野菜へと変わっていきました。

なすは栽培の歴史が長いこともあり、産地によって様々な品種が栽培されています。
現在、日本国内では180種類以上、世界中で見るとなんと1000種類以上あるといわれています。
また日本では紫が一般的ですが、白や緑、はたまた紫と白の縦縞やまだら模様のなすも栽培されているのです。

日本のなすは、5月頃から栽培が始まり、収穫できるのは6月頃から。
最も美味しくなる旬は、収穫量もピークを迎える夏で、7月から9月にかけて美味しくなります。
ちなみになすは、真夏に伸びた枝を切る「切返し剪定」を挟むことで、1ヶ月ほどで再び実が付くようになります。
これがいわゆる「秋なす」で、夏のなすに比べて小ぶりで身が締まるぶん、種が少なく甘みが増します。

 

秋なすについてのおはなし

「秋なす」といえば『秋茄子嫁に食わすな(あきなすびよめにくわすな)』ということわざを聞いたことがないでしょうか。

このことわざは、1645年の江戸時代に刊行された『毛吹草(けふきぐさ)』という俳諧論書に書かれたものです。
第2巻の後半部分、「世話」「古語」という題目で民衆の間から生まれ出たことわざの項目に「あきなすびよめにくわすな」という記述が見られます。
このことわざ、一般的には「嫁に食べさせたくないほど、秋なすは美味しい」あるいは「秋茄子は味がよいから、嫁には食べさせるな」と解釈されています。
しかし、それとは全く別の解釈があるのです。

一つは『嫁を労わった』という説です。
1596年、安土桃山時代に中国で出版された『本草綱目(ほんぞうこうもく)』と呼ばれる医薬について書かれた本があります。
これは日本には1604年頃には伝来していたものです。
第二十八巻の「菜部三 菜之三 蓏菜類」「茄子(なす)」について「茄性寒利 多食必腹痛下利 女人能傷子宮也(なすは身体を冷やす効果があり、食べ過ぎると腹痛や下痢を起こし、女性は子宮を痛めることがある)」と記載されています。
実際になすは身体を冷やす効果があり、女性は身体が冷えるとホルモンバランスが崩れ、月経にも影響を与えます。
このことから「嫁が身体を冷やさないように姑が気遣った」ことわざだといわれているのです。

もう一つは「よめはネズミを指している」という説。
これは「藤原道長(ふじわらのみちなが)」「和泉式部(いずみしきぶ)」の歌のやり取りがヒントとなっています。
藤原道長の息子「藤原教通(ふじわらののりみち)」と和泉式部の娘「小式部内侍(こしきぶのないし)」は、愛人関係にありました。
やがて小式部内侍は、長和5年(1016年)頃に教通の子供を産みます。
そんな小式部内侍を見た藤原道長は、和泉式部に次の歌を送ります。

よめのこの 子ねずみいかが なりぬらむ あなうつくしと おもほゆるかな
(嫁が産んだ子ねずみはどんなに成長したのだろう。(私の孫だから)「ああ可愛いな」と思っているよ。)

藤原道長 和泉式部集 成立年不明

対して和泉式部は、返事に以下の歌を送りました。

君にかく よめのことたに しらるれば この子ねずみの つみかろきかな
(あなたさまに嫁の子と認めていただいたのですから、この子の罪も軽くなることでしょう。)

和泉式部 和泉式部集 成立年不明

この歌のやり取りで人間の「嫁」「子ども」「ねずみ」に例えているのが分かります。
ねずみを「よめ」とした理由は諸説あり、昔から隠語で「ねずみは夜行性で夜に目が利く=夜目(よめ)」からきているのだとか。
そして「よめ」と秋なすが結びつくのは、1661年頃に刊行された『似我蜂物語(じがばちものがたり)』という人生の教訓となるような話を集めた仮名書き小説集の次の歌です。

秋なすび わささのかすに つけまぜて よめにはくれじ たなにおくとも
(秋なすを新酒の粕に漬け込んで、美味しくなるまで棚の上に置いても良いが、よめに食われないように気をつけなければならない)

作者不明 似我蜂物語 第2巻 六 1661年

なすは水分量が多く傷みやすいので、古くから粕漬けなどにして保存し食べられていました。
その「なすの粕漬」「よめ」、つまり「ねずみ」に食べられないように気を付けなさいという教えを書いた歌なのです。

一つのことわざに対して、全然違う解釈があるのはなんとも面白いですね。

 

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なすの栄養

さて、ここからはなすの栄養についてご紹介します。

嫁を労わった解釈の中で「なすは身体を冷やす」とありましたが、これはなすに含まれる『カリウム』の性質です。
カリウムは身体の余分なナトリウムを尿として排出し、高血圧の予防やむくみの解消を促します。
そして尿を排出する際、身体の熱も一緒に排出して、体温を下げてくれるのです。
そのため、のぼせや火照りを鎮める効果が期待できます。

それ以外で注目したい栄養は『コリンエステル』という機能性成分です。
コリンエステルは自律神経を調節する働きがあり、高血圧や気分を改善する効果があります。
元々は、ソバの新芽を乳酸発酵させた食品から発見された成分で、研究の結果、なすは他の農作物の3,000倍もコリンエステルが含まれていることが明らかになりました。
2020年には、コリンエステルを豊富に含む機能性表示食品として「高知なす」が登場しており、今注目されている成分です。

また、もう一つ注目したいのは『ナスニン』という栄養です。
ナスニンは、なすの紫色素の成分でポリフェノールの一種です。
活性酸素を消去する抗酸化作用があるため、動脈硬化や老化の予防に効果があります。
さらにナスニンは、ブルーベリーと同じアントシアニン系の色素なので、眼精疲労の軽減にも効果があるといわれています。

ただし、ナスニンは水溶性のため、長く水につけると成分が流れ出てしまいます。
しかし、なすはアクが強く、切って放置すると変色するため、水につけるという方も多いはず。
なので調理するときには、調理直前に切って加熱調理をすることで、ナスニンを損なわずに済みます。
また、水に溶けることをふまえて、みそ汁などの汁ごと食べる調理もおすすめです。

 

これからどんどん旬のなすが手に入る時期になります。
淡白な味なため、他の材料と合わせやすく、焼く・煮る・揚げるなど様々な調理ができるので、毎日の料理にも取り入れやすいです。
含まれている栄養は、蒸し暑い日本の夏を乗り越えるのにもピッタリ。
美味しく食べて旬を楽しみながら、健康に過ごしていきましょう。

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