覚えやすい記念日。5月30日は5(ご)3(み)0(ゼロ)の日
今日は5/30に制定されている『5(ご)3(み)0(ゼロ)の日』を紹介したいと思います。
『5(ご)3(み)0(ゼロ)の日』って?
1960年代から1970年代にかけての日本は『高度経済成長期』と呼ばれる豊かな時代に突入しました。
終戦を迎え、食糧危機や領地の喪失など多くの壁がありましたが急速な復興を見せ、更に戦前の最高水準の上回りと年平均10パーセント以上の経済成長がおよそ20年間にも及び続きました。また、経済だけではなく技術の発展も相俟って自動車の普及も始まった頃でした。
そのうち人々はただ働くだけではなく、休みの日はドライブや観光地に遊びに行くなどの娯楽にお金を使っていくようになりました。
愛知県豊橋市も例に漏れることなく、来る観光客にむけて石巻山や東部丘陵地帯の葦毛湿原に豊橋山岳会と豊橋自然歩道推進協議会とが中心となって自然歩道を整備しました。
予想通り多くの人々がこの地を訪れ、自然歩道を散策し、楽しい一日を過ごした様子の観光客を見ると自然歩道の整備は大成功かと思われました。しかし観光客が帰った後を見ると、そこには大量のごみが。あっという間に山はごみであふれるようになってしまいました。
その状況に立ち上がったのは、当時の豊橋山岳会長の夏目久男さんでした。
登山をする人にとって、自分で出したごみは必ず持って帰るということは暗黙のルール。基本中の基本として考えられています。その考えをどんな人にも受け入れて欲しい、また自然に恵まれた土地であっても都心の栄えた街であってもきれいに保ち続けることがより良い環境作りへの近道であると考えた夏目さんは『自分のごみは自分で持ち帰る』を合言葉に530(ごみゼロ)運動の推進を提唱しました。
夏目さんの訴えに豊橋市は納得し、一大市民運動として官民一体の530運動推進連絡会を昭和50年7月16日に設立し、同時期に5月30日を『5(ご)3(み)0(ゼロ)の日』と制定しました。
制定後から時代は平成・令和へ
『530の日』が制定されてから45年以上が経ち、人々を取り囲む環境も大きく変わりました。きっと制定当時と今抱えている問題には少しの違いがあると考えられるので、排出量・再利用率・不法投棄量、この3つの観点から見ていこうと思います。
ごみの排出量
令和元年におけるごみ総排出量は4274万トンと記録されており、これは東京ドーム約115杯分相当だとか。
(東京ドームの大きさは面積46755㎡、容積124万㎥で収容人数は55000人です。)
ここから、1人1日あたりのごみ排出量が918gであることが判明しました。
1年に換算すると、私たちは1人につき約335㎏のごみを排出していることになります。
非常に多く感じるこの数字ですが、実際は年々減ってきています。
出典:環境省ホームページ http://www.env.go.jp/press/109290.html
一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度)について
グラフの出典:https://www.env.go.jp/content/900517285.pdf
一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度)について PDF資料より1ページ目
『図―1 ごみ総排出量の推移』
プラスチックの再利用率
グラフの出典:プラスチックを取り巻く国内外の状況<参考資料>(環境省)
http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-05/s1.pdf
PDF資料 63ページ 『2.1 循環型社会形成全般:産業廃棄物の状況』
次にプラスチック等の産業廃棄物の再利用率も同様に変化しています。
上の図は私たちの年間のプラスチックごみ排出量を示したグラフで、緑色のバーが最終的なプラスチック廃棄量となっています。
ごみ処理場で出来る処理の範囲が広がったこと、再利用可能な素材で作られるものが多くなったことから出た結果ですね。
しかし、課題はまだまだあるのが現状。
もう一度直前のグラフを見ていきましょう。
再利用率が増え、排出量が減っていますが、まだ102万トンもの再利用不可能(つまり、捨てるしかない使い捨て)のごみが存在することが分かります。
このようなプラスチックごみをワンウェイプラスチックと呼びます。
ワンウェイとは1通りという意味で、要するに1度だけ使えるプラスチックのことを指します。その代表にレジ袋やインスタント食品等に使用されている容器が挙げられます。
不法投棄量
グラフの出典:産業廃棄物の不法投棄の状況(令和元年度)について (環境省)
http://www.env.go.jp/press/108861.html
PDF資料『1-1-1.不法投棄件数及び投棄量(新規判明事案)不法投棄件数及び投棄量の推移』
凄く減っているじゃないか!と思われるかもしれませんが、そもそも未だに続いているのが間違いなのです。
設備も整って、処理できる場所も昔に比べれば増えているはずですが、きちんと然るべきところで処理をしない状況です。
色々な理由があるかもしれませんが、ほとんどの場合が怠慢なのではないかと思います。
『どこの業者に頼めばいいか分からないし、お金もかかる。今すぐ捨てたいのに引取りに来てくれるまで時間がかかる。』等の理由で『まあいいや』って考えているのだろうなと。
この『まあいいや』と何百人何千人が繰り返していくと、すぐに増えていくそんな不安定な数字なのです。
新しい時代には新しい『ごみゼロ』
制定当時は、街の美化を第一に。ゴミが出たら持ち帰る、皆と協力し合い清掃活動(主にごみ拾い)を習慣化することが重要でした。
そのため、『ごみゼロ』の考え方が『目の前にあるごみの数をゼロに近づかせること』という印象ですが、
現在は、全体の数値は減少の一途を辿り良い傾向にありますが、引き続き従来の目的プラスアルファ『ごみになってしまう可能性を少しでも遅く、ゼロに近づかせること』も必要であると強く感じます。
また、不法投棄に関しては夏目久男さんが掲げた『自分のごみは自分で持ち帰る』を合言葉に粘り強く向き合う必要がありそうですね。
ごみゼロを目指して
今回は『ごみゼロの日』を紹介しました。
短い語呂で分かりやすいので覚えて頂けるとうれしいです。
実際に何からすればいいのか分からないという方は、とりあえず1つ
穴が開くくらい、または壊れるまで使うものを決めてみましょう。
メンテナンスや修理で息を吹き返すものにはしっかりとケアを施してからもう一度使えますし、捨てる以外の選択肢を持てるきっかけになります。
もしも修理できないものであれば、捨てた分だけを新しく購入するか、他の物で代用できないか考えてみるのは如何でしょう。
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