見上げた十二星座にまつわる物語~牡牛座~
十二星座の紹介を始めてからもう4回目となる4月。
季節もすっかり変わって春になりました。
今回ご紹介するのは勇ましい姿が特徴的な「牡牛座」です。
いったいどんな星座なのでしょうか。
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おうし座/牡牛座/Taurus/タウルス(トーラス)
基準誕生日期間:4/20~5/20
『立派な角を持った牡牛の上半身』をモチーフにしているのがおうし座です。
おうし座は十二星座の一つとしてだけでなく、そこに含まれる恒星や星団も有名なものが多いのが特徴です。
描かれている星座図もモチーフのイメージに忠実で、分かりやすい星座ですね。
基準誕生日期間は4月下旬から5月下旬で、実際に観測しやすいのは1月下旬頃の20時です。
おうし座の星図
おうし座を観測する時の一番の目印は、橙色に光る一等星αの『アルデバラン』です。
αを基点に周りの星をV字に辿るとおうし座の顔の部分になり、そこから角と前足に辿りやすくなります。
おうし座の近くには冬の星座で有名な『オリオン座』があります。
オリオン座のベルト部分にあたる『三つ星』の並びをそのまま西の方に辿ると、αを見つけることができます。
また、おうし座の中には有名な天体が多く存在し、ηを含む『プレアデス星団』、Θ2を含む『ヒアデス星団』、かにの形に見える超新星残骸『かに星雲』があります。
おうし座の恒星の17個には固有名詞が名付けられています。
恒星名 | 固有名 | 意味・由来 |
α | アルデバラン(Aldebaran) | プレイアデスの後に続くもの |
β | エルナト(Elnath) | 角で突くこと |
γ | プリマ・ヒヤドゥム(Prima Hyadum) | ヒアデスの1番目 |
δ1 | セクンダ・ヒヤドゥム(Secunda Hyadum) | ヒアデスの2番目 |
ε | アイン(Ain) | 牛の眼 |
ζ | ティエングァン(Tianguan) | 天關(天界に出入りする門に置かれた関所) |
η | アルキオネ(Alcyone) | ギリシャ神話のプレイアデス姉妹のアルキュオネー |
Θ2 | チャムクイ(Chamukuy) | 小鳥 |
16番星 | ケライノー(Celaeno) | ギリシャ神話のプレイアデス姉妹のケライノー |
17番星 | エレクトラ(Electra) | ギリシャ神話のプレイアデス姉妹のエーレクトラー |
19番星 | タイゲタ(Taygeta) | ギリシャ神話のプレイアデス姉妹のターユゲテー |
20番星 | マイア(Maia) | ギリシャ神話のプレイアデス姉妹のマイア |
21番星 | アステローペ(Asterope) | ギリシャ神話のプレイアデス姉妹のステロペー |
23番星 | メローペ(Merope) | ギリシャ神話のプレイアデス姉妹のメロペー |
27番星 | アトラス(Atlas) | ギリシャ神話のプレイアデス姉妹の父アトラース |
28番星 | プレイオネ(Pleione) | ギリシャ神話のプレイアデス姉妹の母プレーイオネー |
HD 28678 | ホガール(Hoggar) | ホガール山地 |
おうし座にまつわる神話
今にも飛び掛かってきそうな迫力があるおうし座は『ゼウスが王女を攫うために変身した白い牛』の姿を現しているといわれています。
古代の地中海東岸辺りはフェニキアと呼ばれ、その古代都市ティルスには『エウローペー』という王女がいました。
そのエウローペーの美しさは類稀なるものとして神々の間でも噂になる程でした。
ある日、侍女と花を摘んでいたエウローペーを見た『ゼウス』は忽ち一目ぼれをしてしまいます。
どうにか誘惑しようと考えたゼウスは、白い牡牛に姿を変えてエウローペーに近づきました。
大きな牛に驚いたエウローペーですが、凛々しくも温和で従順な牛にエウローペーは心を許してしまいます。
そして、大人しく寝転んでいる牛の背に腰を下ろしてみました。
すると牛は突然立ち上がって走り出し、あっという間にエウローペーを攫ってしまったのです。
エウローペーは何もできず、ただ振り落とされないように掴まるだけです。
やがて海を渡り、クレーテー島に辿り着くと、牛はエウローペーを腰から下ろし、元のゼウスの姿へと戻って正体を明かしました。
故郷を遠く離れて悲しむエウローペーでしたが、ゼウスに慰められて子どもを儲け、後にクレーテー島のアステリオス王と結婚するのでした。
恋多きゼウスに振り回された女性がまたここに登場しました。
なんとも人騒がせな神様ですね。
来月は仲良く並んだふたご座を紹介します。
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