生まれた星の元で運勢を占う。黄道を通る十二星座。

新聞記事の片隅や朝のニュースの終了間際によく見られるのが星座占いのコーナー。
自分の星座が分かれば手軽に楽しめますね。
今や自己紹介をするときのプロフィールの一つとして相手に伝えることも多い星座ですが、いったいどのように決まるのか、なぜ自分がこの星座なのか分かりますか。
今回は十二星座についてご紹介していこうと思います。

地球から見た十二星座

私たちが誕生日から当てはめる星座は全部で12種類あります。
この星座の正式名称は『黄道十二星座（こうどうじゅうにせいざ）』といわれています。
黄道十二星座の起源はかなり古く、紀元前3千年紀頃（西暦1年より4000年から5000年前の期間）といわれています。
古代文明の時代、太陽や月、惑星など天体の位置や動きで国の吉凶を占う『占星術（せんせいじゅつ）』が行われていました。

地球から空を見上げた時、星はお互いの位置関係を保ったまま空を動いているように見えます。
なので占星術や天文学で天体を観測する時に、地球を中心として見える空を『天球（てんきゅう）』という仮想的な球体に見立てます。

地球から太陽を見ると、太陽は1年をかけて天球上を1周しているように見えます。
この太陽の通る道筋を『黄道（こうどう）』といいます。

太陽は生命の創造者として古くから崇拝されており、占星術においても重要視されていました。
そのため太陽が黄道上のどの位置にあるかも重要な事柄であったため、位置を示すための目印として黄道上にあった12の星座を「黄道十二星座」として成立させたといわれています。

黄道十二星座は古代の数々の神話に結びつけられており、広く知られている星座のギリシア神話も古代ギリシアに伝わった時に結びつけられています。

占いで使われる十二星座とは

その後、占星術は国だけでなく各個人の運勢を占うことにも使われるようになります。
冒頭にご紹介した星座占いで使用されているのは、中東・ヨーロッパで発展した『西洋占星術（せいようせんせいじゅつ）』に基づくものです。

西洋占星術では、占う人の産まれた時の天体の配置を記した『ホロスコープ』を使用します。
太陽や月、惑星は、黄道の上下に9度ずつ幅をとった帯状の部分「黄道帯（こうどうたい）」の中を運行します。
ホロスコープには、黄道帯のどこに天体が配置されているかを明確にするために「サイン」と呼ばれる領域を記します。

サインは黄道帯を「地球から見た太陽が南から北に向けて通過するときに、地球の赤道面と黄道が交わる点」である「春分点（しゅんぶんてん）」を基準にして分割します。

春分点を0°として30°ずつで12等分し、それぞれのサインに位置している黄道十二星座に基づく名前が当てはめられました。

12のサインをまとめて『黄道十二宮（こうどうじゅうにきゅう）』といい、産まれた時に太陽が位置するサインが、私たちが星座占いに使っている十二星座になります。

ここまで聞くと黄道十二星座と黄道十二宮は一致するもの、と思いがちですが実際はそうではないようです。
地球は自らの中心となる軸を元に回転する「自転（じてん）」をしていますが、その際『歳差運動（さいさうんどう）』と呼ばれる現象が発生します。
「歳差運動」は「自転している物体が円を描くように振れる」現象で、これにより地球の自転軸が回っていきます。

この影響で赤道が動いてしまうため、赤道と黄道の交点である春分点も少しずつ西に移動していきます。
地球の歳差運動の周期は約25,800年といわれており、春分点は十二星座に対して72年で1°の割合で移動します。
黄道十二宮は春分点を基準にして当てはめられているため、配置当時と比べると20°以上の差が生じています。
そのため現在では黄道十二宮で当てはめた星座は、産まれた日には一つ隣のサインに移動している状態になります。

12種類の黄道十二星座たち

では、実際に黄道十二星座にはどんなものがあるのでしょうか。
ここからは当時は一致していた黄道十二宮と併せてご紹介します。
※黄道座標は春分点に対して記載しています。

黄道座標：0°
対応誕生日：3月21日 ～ 4月19日
立派な角を持ち、横たわっている牡羊が表現されています。

黄道座標：30°
対応誕生日：4月20日 ～ 5月20日
左側に向かって飛び出してきそうな牡牛の上半身が表現されています。

黄道座標：60°
対応誕生日：5月21日 ～ 6月21日
二人の男の子が並んだ姿が表現されています。

黄道座標：90°
対応誕生日：6月22日 ～ 7月22日
左側を向いている大きな蟹が表現されています。

黄道座標：120°
対応誕生日：7月23日 ～ 8月22日
右側を向いているライオンが表現されています。

黄道座標：150°
対応誕生日：8月23日 ～ 9月22日
背中に翼を持った女性が表現されています。

黄道座標：180°
対応誕生日：9月23日 ～ 10月23日
正義を計る天秤が表現されています。

黄道座標：210°
対応誕生日：10月24日 ～ 11月22日
両腕を開いた大きなサソリが表現されています。

黄道座標：240°
対応誕生日：11月23日 ～ 12月21日
上半身が人間、下半身が馬の人物が弓を引く姿が表現されています。

黄道座標：270°
対応誕生日：12月22日 ～ 1月19日
上半身が白い牡山羊、下半身が魚の生き物が表現されています。

黄道座標：300°
対応誕生日：1月20日 ～ 2月18日
水が流れ出る水がめとそれを持つ男性が表現されています。

黄道座標：330°
対応誕生日：2月19日 ～ 3月20日
尾を紐で繋がれた二匹の魚が表現されています。

星座占いで知られる黄道十二星座は古くから存在する重要な星座です。
その星座には神話が紐づけられ、より神秘さを増して現代へと伝わっています。
それらを知ることにより、今までとは違った視点で十二星座に親しみを持てるのではないでしょうか。
今後このブログでも紹介する機会があれば幸いです。
今晩は夜空を見上げてみるのもいいかもしれませんね。