リズミカルな気持ちいい音色。楽しく韻を踏んでみる。

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マンハッタナーズ可動式

私たちは相手と意思疎通するために日常的に言葉を使います。
その言葉が時々、とてもリズミカルに聞こえて深く印象に残った・・・と感じたことはないでしょうか。
それは言葉にある「韻」を上手く使っていることが関係しているかもしれませんよ。
本日は言葉の響きをリズムにして生み出す「韻を踏む」ことをご紹介しようと思います。

 

言葉の韻とは

『韻(いん)』とは、元々は中国語において使われる単語で「音節(言葉の音の区切り)の中の母音(ぼいん)や尾音(びおん)、音の高低の部分」のことを指します。
例えば「ありがとう」という言葉には「ありがとう」という音の響きが存在します。
とても当たり前のようなことですが、私たちはその音の響きを持って「ありがとう」と認識しています。

日本語の音の響きは『母音』『子音(しいん)』で構成されています。
母音と子音の構成は、よくローマ字表記にして説明されます。
先ほどの「ありがとう」という言葉の構成は『a ri ga to u』になります。
この響きの『a ri ga to u(あいあおう)』の部分が母音a ri ga to u(r、g、t)』の部分が子音になります。
基本的に日本語は「あ・い・う・え・お」の母音、または、子音と母音を組み合わせて言葉にします。
さらに日本語の構造上「っ」などの「促音(そくおん)」「ん」「撥音(はつおん)」を除いて、子音単体で発音されることはありません。

 

さて、日本語にはたまに「何となく似ている」言葉の組み合わせに出会うことがあります。
「杖」「笛」のように一文字違う言葉は分かりやすいですね。
しかし「シルバーカー」「チーズバーガー」と字数は違いますが、どことなく雰囲気が似ていると感じませんか。

これは「母音部分が同じ日本語は、発音の仕方が似ているので似たような音に聞こえる」ためです。
先ほどの言葉を響きに変換すると「杖」「笛」「tsu e」「fu e」「u e(うえ)」の母音が一致します。
「シルバーカー」「チーズバーガー」「shi ru ba – ka -」「chi – zu ba – ga -」「i u a a(いうああ)」が一致します。
このような言葉の組み合わせが、韻が揃っている状態になります。

 

マンハッタナーズ可動式

 

色々ある「韻を踏む」

韻が揃うと同じように聞こえることは分かりましたが、ただ同じ韻の言葉を羅列するだけではそこまで印象は強くありません。
しかし韻を一定の規則に従って配置すると、発音がしやすくなり不思議とリズミカルに聞こえてくるのです。
これを『韻を踏む』といいます。
韻を踏むと相手に印象を強く与えることができるので、詩や歌、キャッチコピーなどで活用されています。
韻を踏み方にはいくつかのパターンがあります。

 

■頭韻(とういん)

言葉の始まりを同じ発音になるように揃える方法です。
代表的な例として、江戸時代の米沢藩の藩主「上杉 鷹山(うえすぎ ようざん)」が「上杉鷹山書状」に記した有名な和歌が挙げられます。

せば
さねばらぬ
事も
らぬは人の
さぬりけり

引用元:上杉鷹山(1789)『上杉鷹山書状』

「為(な)」「成(な)」を中心に言葉の始まりが「な」が並ぶように配置されています。
和歌のリズムである「五・七・五・七・七」も相まって、非常に耳に残りやすい和歌になっています。

 

■脚韻(きゃくいん)

言葉の終わりを同じ発音になるように揃える方法です。
例えば「谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)」の詩「かっぱ」は、脚韻だけでなく頭韻も織り交ぜられています。

かっかっらっ
かっらっかっらっ
とってちって
かっなっかっ
かっなっいっかっ
かってきってくっ

引用元:谷川俊太郎(1973)『ことばあそびうた』、福音館書店。

「ぱ」「た」の配置に「っ」でリズミカルが増しており、声に出して読んでいて楽しい詩になっています。

 

■母韻(ぼいん)

言葉の中の母音の並びを揃える方法です。
同じ発音で揃える頭韻や脚韻と違い、子音が違う母音を揃えるようにします。
歌でかっこよく母韻が使われているのが「Mr.Children」の「GIFT」です。

僕は探していた 最高のgiftぎふとを ~
<中略>
僕の両手がそれを渡すとき ふと謎が解けるといいな ~
<中略>
「もう やめにしようか?」自分の胸にくと

引用元:Mr.Children『GIFT』、作詞:桜井和寿

「gift」「時 ふと」「聞くと」が同じメロディで母音が「i u o(いうお)」で揃っています。
単語の中だけでなく文節を越えて揃っている箇所もあります。
母韻は言葉の始まりや終わりに限定せず、揃える位置に決まりがないのも特徴です。

 

■子韻(しいん)

言葉の中の子音の並びを揃える方法です。
日本語は子音だけで発音することが無いので、あまり使われることはなく、主に英語の単語で使われます。
ここでは「Diana Ross」の「If We Hold On Together」を例に挙げます。

Don’t lose your way
With each passing day
You’ve come so far
Don’t throw it away

引用元:Diana Ross『If We Hold On Together』、作詞:James Horner & Will Jennings

「way」「day」「away」が同じ子音の「y」で韻を踏んでいます。
発音も似ているのでより印象が残りやすい歌詞ですね。

 

ちょっと踏んでみたい韻

韻の踏み方で例に挙げたのは歌詞や詩でしたが、商品や作品のキャッチコピーにも韻を踏んでいるものがあります。
有名なのが半導体素子メーカーの「Intel Corporation」のキャッチコピー。

インテル入ってる
intel inside

「てる」で韻を踏んでおり、非常に耳に残りやすいですね。
更に英語でも「in」で韻を踏んでいるので、完成度の高いキャッチコピーといわれています。

 

ここまでくると「自分でも韻を踏んでみたい」と思いたくなりますが、そこで挙がるのが「なんだかダジャレっぽい気がする」問題です。
『ダジャレ』は「母音・イントネーション・同音異義語の言葉」を組み合わせて作り、やっていることは韻を踏むのとほぼ同じです。
ダジャレになる原因は「母音と子音が完全一致しすぎていること」「韻を踏むことを意識しすぎて、意味が分からなくなってしまっていること」にあります。
有名なダジャレである「トイレに行っといれ」は良い例で「トイレ」「といれ」は子音と母音が一致して韻を踏んでいます。
しかし日常会話で人に「行っといれ」とは言わないですよね。
また言葉を一致させることに重点を置いているため、一文で終わってしまうのも特徴です。

もちろん子音と母音が一致していながらダジャレに聞こえない言葉もありますが、韻を踏みなれていないと難しいところです。
なので、まずダジャレにならないように韻を踏むには「意味が繋がるように意識する」ことです。
更に「子音は一致させずに、母音は一致させる」とダジャレになりにくいといわれています。
これらを意識しながら試しに韻を踏んでみようと思います。

ダジャレの一つである「電話に誰も出んわ」を上手く変えてみましょう。
「電話」という言葉は「e n a(えんあ)」という母音で構成されています。
この母音と同じ言葉を探してみると「閑話(かんわ)」「参加(さんか)」などいくつか思い浮かびました。
その中から「電話」と意味や関係を持たせられる言葉を選び、繋げてみます。
その結果がこちら。

休日の前夜ぜんや 上司から電話でんわ
拒否ボタン連打れんだ 絶対にんわ

大阪出身なので「出んわ」という言葉もそのまま使えると判断し、母音を揃えてみました。
何となくダジャレ感が薄れているのではないでしょうか。
プロの人だともっと上手く踏めると思いますが、母音の並びと意味を意識すれば初めての人でも韻を踏むことができます。

多くの言葉とその意味を知っていると、選択の幅が広がって韻が踏みやすくなります。
韻を踏む練習をすると、結果的に語彙力が増えるといっても過言ではないのかもしれません。
それに上手い具合に韻が踏めると、ちょっとした達成感のような嬉しい気分にもなれます。
言葉のトレーニングのつもりで皆さんも韻を踏んでみませんか。

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