おかしいと思いながらも読めてしまう。不思議な感覚のタイポグリセミア。

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仕事でメールを打つとき、何度も確認してから送信したのに、送信先から誤字を指摘される。
皆さんは、このような体験をしたことがあるでしょうか。
メールを確認した時には既に間違っているはずなのですが、なぜか読めてしまうが故に見逃してしまってるのです。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
最近この現象を利用した広告が話題となったので、割と知っている方も多いかもしれません。
本日は「タイポグリセミア」についてご紹介します。

 

都市伝説として生まれた現象

「みなさん こんちには。」
皆さんは、上記の文章の意味を認識して読むことができますか。

すぐに気づくと思いますが、後半は「こんちには」と書かれています。
この単語は、そのまま読むと意味がない単語です。
しかし、多くの人はこの単語を昼間の挨拶である「こんにちは」であると認識することができます。
実際、先ほどの文章も「みなさん こんにちは。」と読んだ方が殆どなのではないでしょうか。
つまり、この文章は「誰かが不特定多数の人に昼間の挨拶をしている」意味があると認識しているのです。

しかし、この文字列が「ちこんはに」だったり「こちにはん」だった場合はどうでしょう。
「こんにちは」を意味していると認識が出来ない、あるいは認識が著しく遅くなると思います。
これは文字の並びが入れ替えて別の意味にしようとする「アナグラム」になってしまっているからです。

このように「単語の最初と最後の文字以外の順番が入れ替わっても、正しく読めてしまう現象」のことを『Typoglycemia(タイポグリセミア)』といいます。

実は、タイポグリセミアには科学的な根拠がありません。
この現象の基になる人間の単語認識における研究においては、人間は個々の文字が正確に並んでいるかで単語を認識しているわけではなく「文字列全体で単語を認識している」とされています。
人間の脳は単語の意味を理解して認識していれば、多少並びがいい加減であったとしても自動的に補完して予測し、単語を読むことができるのです。
しかし、これはあくまでも研究途中の仮説にすぎません。
そんな仮説が現象として広まりだしたのは、2003年頃のこと。
海外のとあるサイトで以下英文が紹介されました。

Aoccdrnig to a rscheearch at elingsh uinervtisy, it deosn’t mttaer in waht oredr the ltteers in a wrod are, the olny iprmoetnt tihng is taht the frist and lsat ltteer be at the rghit pclae.
The rset can be a toatl mses and you can still raed it wouthit porbelm.
Tihs is bcuseae the huamn mnid deos not raed ervey lteter by istlef, but the wrod as a wlohe.

英語が理解できる人が見ると、この英文中の単語の並びがおかしいことに気づくでしょう。
上記の文章を正しい英単語にすると下記になります。

According to a researcher at english university, it doesn’t matter in what order the letters in a word are, the only important thing is that the first and last letter be at the right place.
The rest can be a total mess and you can still read it without problem.
This is because the human mind does not read every letter by itself, but the word as a whole.
(英国の研究者によると、ある単語内の文字の順序は問題ではなく、重要なのは最初と最後の文字が正しい位置にあることだけである。残りの部分が完全にバラバラだったとしても、問題なく読むことができる。これは人が全ての文字を単独で読んでいるのではなく、単語全体として読み取っているからである。)

一見すると、この文章は研究内容を発表しており、説明内容を実際にスペルを変えて書かれているように見えます。
しかし、実際この文章を書いた人物は研究者でもなく、一つの話題がインターネット上でどのように広がっていくかの調査『インターネット・ミーム』の調査が目的だったようです。
人物の思惑通り、英文はインターネット上に広まっていきました。
この英文は時を同じくして日本にも伝わり、個人のブログ内で翻訳したものが紹介されていました。

日本で広く有名になったのは、後の2009年頃です。
日本の匿名掲示板サイト「2ちゃんねる」に以下の文章が記載されました。

こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば
じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
ちんゃと よためら はのんう よしろく

恐らく前述の英文が訳されたものが元になり、日本語の文章になったのでしょう。
これをきっかけに日本でも一時的なブームになり、広く知られました。
その後、いつしかこの現象に「誤植」を意味する『typographical error』『typo』「低血糖症」を意味する『Hypoglycemi』を合成した『Typoglycemia』と名前が付くようになったのです。

 

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タイポグリセミアを成功させるちょっとした工夫

タイポグリセミアは「単語の最初と最後の文字以外の順番が入れ替わっても、正しく読める」とされていますが、いかなる状況でもとはいえません。

例えば、読んでいる相手がその単語の「形」「意味」「登場する状況」などを理解していなければ、脳が補完を行うことができません。
前述の「こんにちは」を例に挙げると、「こんちには」だと並びが間違っているということ。
「こんにちは」「挨拶」であり、「誰かに対して行うもの」だということまで理解できていなければなりません。
そのため、まだ言葉を理解しきれていない幼児や日本語を習いたての外国人では、先ほどの日本語の文章を読むことは出来ないのです。

また「単語の文字数」「入れ替え方」にも工夫が必要です。
「ときわううたょー は あいかろ です。」
上記の文章を見た時、皆さんはすぐにスラスラと読めますか。
「とうきょうたわー は あかいろ です。」という文章を入れ替えたものですが、例に挙げた文章よりも読むのが少し難しいのではないでしょうか。
単語の文字数があまりにも長すぎると、補完が難しくなるのです。
そのため「入れ替える単語の文字数は6文字程度」が良いとされています。
同時に専門用語などは理解への差が出てくるので「一般的によく知られている単語」であることも大切です。
また「ときうょうわたー は あいかろ です。」の方が、幾分読みやすくなりませんか。
文字の入れ替えをランダムにするのではなく「隣接する文字を入れ替える」ほうが読みやすくなります。

 

他の文章でも体験しよう

タイポグリセミアは、文章は変なのになぜか読めてしまうというインパクトからか、企業の広告に使われることもあります。
先ほどいくつかの文章を紹介しましたが、せっかくなのでもう一つタイポグリセミアを体験してみましょう。

みさなん こにんちは。
4がつに はいり あたかたいひ が つづきすまね。
そそろろ ゴーデルンウィーク が ちかいづて いますが
もう よていは たまてしたか?
のりこの はんつきを がばんって きゅじうつを たしのみ ましょう。
きょうも げきんで ゆかたな せかいつ が できます ように。

 

タイポグリセミアはルールを押さえれば、気軽に作ることができます。
ちょっとした言葉遊びに良さそうですね。
皆さんも、この不思議な現象を楽しんでみてくださいね。

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