知ってよかった「ユマニチュード」について。

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ある日、急に父がこんなことを言い始めました。
「自分がいろんなことを忘れてどうしようもなくなっても目を見て話してほしい。
目を見て話してくれると、その時だけは娘のことを思い出すと思う。」

ここ最近、こういった将来の話をすることが多くなっていて
私としては、両親の老いが現実的になっているのを感じて少し暗い気持ちになります。私には兄弟姉妹がいません。
両親が私との思い出を忘れてしまえば、もう誰も私と思い出話に花を咲かせてはくれません。
それを想うと、ひどく孤独を感じ、憂鬱な気持ちになります。

「どうしようもなくなっても目を見て話して。」と言われた時も、正直無理だろうなと思いました。
自分のことを忘れてしまった両親を受け入れる自信がない。弱くて、頼りなくて申し訳ないなと思いますが、
親、というのは子供にとっていつまでも元気で頼りがいのある大きな存在なのです。その時は、ただ頷く事しかできませんでした。

そこから数か月後、私はとある雑誌で「ユマニチュード」を知りました。

ユマニチュード(Humanitude)とは

フランスの体育学の専門家イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティが考えた新しい認知症ケア技法です。
「ケア技法」と聞くと、効率よく介護が出来る方法、あくまで介護「する」側への解決策であり、
どうしても介護を「受ける」側の目線には立っていないように感じる方、居るのではないでしょうか。
認知症のケア等介護の種類によっては、良かれと思ってやっていることが、結果として無理やりなケアとなり、
場合によっては痛みや恐怖を与えてしまうケースがあります。
また、ケアを「うける」人とのコミュニケーションが取れず意思疎通が出来ないため作業的な介護になってしまうことも多い現実です。
ユマニチュードはそんな状況に警鐘を鳴らし、改善するきっかけとなります。
フランス語で「人間らしさ」を意味するユマニチュードは、介護・ケアを「受ける」人をしっかりと生きている人間だと認識し、
相手の「人間らしさ」を尊重することから始まります。

 

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ユマニチュード(Humanitude)を取り入れる手順
最初は目標を設定しましょう。
このケアを行うに当たり、ご自身の目指すゴールは何ですか?
ユマニチュードでは、以下の3つを主な目標としています。
・心身の回復を目指す ・機能維持 ・最後まで寄り添う

次に、ユマニチュードの4つの基本動作を習得しましょう。
・見る
・話しかける
・触れる
・立つ
こちらの動作が基本となっているのは人間特有の行動科学的コミュニケーションに大きく通じているためです。
この4つを基本とする動きで相手に「人間として大切にされている」という感情を持ってもらいやすくなります。

最後は実践です。
ユマニチュードには、大きく分けて5つのステップがあります。
1. 出会いの準備
2. ケアの準備
3. 知覚の連結
4. 感情の固定
5. 再会の約束
この5つのステップに沿って日々のケアを行います。
すぐにケア(食事や着替え等)をしてしまうところですが、しっかり時間をかけてまずはコミュニケーションを取ることが大切です。
どんなに認知が進んだ相手でも、自分が大切にされているか、乱暴にはされていないか等は分かります。
ケアのしやすさを優先し、身体拘束などに頼ってしまうとケアを受ける人の健康状態が悪化してしまいます。
それでは意味がありませんよね。ユマニチュードの基本動作と5つのステップには、相手に対する思いやりが多く含まれています。
最初は難しいことでも、「世話をしなければ」という意識から「大切に、敬意を払ってコミュニケーションを」と考えれば大きな変化を感じられることでしょう。

父がユマニチュードを知っていたか分かりませんが、通じる部分が多くあるなと感じました。
まだまだ、認知とは程遠い両親ですが、早めに「ユマニチュード」について知ることが出来たのは私にとってプラスになりました。

参考文献:
1)『家族のためのユマニチュード』誠文堂新光社
著:イヴ・ジネスト/ロゼット・マレスコッティ
訳:本田美和子
2)『我が国におけるユマニチュード実践の現状と課題に関する文献的考察』
大坪昌喜 角マリ子

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