高齢者をも悩ませる「睡眠障害」。発症リスクを軽減させる12の指針。

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日常生活の大切な行動の一つの睡眠。
大切な睡眠だからこそ、夜眠りにつくときはスッと眠りにつきたいですよね。
しかし、私たちは様々な要因で『睡眠障害』が引き起こされることがあります。
高齢者も例外ではなく、高齢者ならではの悩みもあるようです。
今回は、睡眠障害についてご紹介します。

 

睡眠時間の長短よりも睡眠の質が重要

厚生労働省が発表した「国民健康・栄養調査(令和元年)」「1日の平均睡眠時間」の項目で、「睡眠時間が6時間未満である70歳以上の高齢者」の割合を見てみると、男性は24.6%、女性は34.2%になります。

「国民健康・栄養調査(令和元年)」を加工して作成

この割合は他の年代と比べて極端に多いというわけではありません。
「理想の睡眠時間は8時間」といわれることが多いですが、そもそも適切な睡眠時間の長さは個人差があり、長い睡眠時間が必要な人もいれば、短い睡眠時間でも問題ない人もいます。
しかし肝心なのは、その睡眠の質。

厚生労働省のe-ヘルスネットの「若年者と高齢者の睡眠の比較」のデータでは、8時間の睡眠をとっている若年者は、深い睡眠(ノンレム睡眠)状態になっている時間が多く、睡眠中に途中で起きてしまうこと(中途覚醒)もありません。
しかし、高齢者になると加齢に伴い、ノンレム睡眠状態が短くなってしまいます。
代わりに中途覚醒が増えてしまうので、睡眠中に物音や尿意で起きてしまうということが起こります。
「年代ごとの睡眠時間」のデータを見ても、若年層に対してノンレム睡眠時間が全体的に短くなっているのが分かります。

ノンレム睡眠の時間を十分にとることが出来ないと、脳が休まることができません。
そのため、どれだけ寝ても満足感を得ることが出来ない状態、いわゆる「睡眠障害」が生じてしまうのです。

 

高齢者の睡眠障害

高齢者が睡眠障害を引き起こす原因は、加齢に伴う身体機能の低下が代表的です。
日中の活動量が少なくなると、あまり体力を使わないので、夜に睡眠状態に入りづらくなります。
また、ホルモンバランスが崩れて体内時計のサイクルが乱れると、深夜や早朝に目が覚めてしまったり、日中帯に眠くなったりします。
それ以外にも家族との死別や独居などの周りの環境の変化や生活の不安で受けるストレスが原因で発症したり、他の疾患の影響・治療薬の副作用によって睡眠障害が発生することもあります。

高齢者に多い睡眠障害としては良質な睡眠ができない「不眠症」、睡眠時に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」、足が痛かったりむずむずする違和感で眠りにつくことができない「レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)」、睡眠中に足が動くために中途覚醒が発生する「周期性四肢運動障害」、夢の内容と同じ行動をとってしまう「レム睡眠行動障害」などがあります。
このような睡眠障害は、専門施設で適切な治療が必要になります。

 

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睡眠障害を引き起こす前にできること

厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費の「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」 平成13年度研究報告書では、「睡眠障害対処12の指針」がまとめられています。
これらを意識すれば、睡眠障害が発生するリスクを事前に軽減することが可能です。

①睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
●睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
●歳をとると必要な睡眠時間は短くなる

②刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
●就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
●軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

③眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
●眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする

④同じ時刻に毎日起床
●早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
●日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

⑤光の利用でよい睡眠
●目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
●夜は明るすぎない照明を

⑥規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
●朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
●運動習慣は熟睡を促進

⑦昼寝をするなら、15時前の20~30分
●長い昼寝はかえってぼんやりのもと
●夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

⑧眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
●寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

⑨睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
●背景に睡眠の病気、専門治療が必要

⑩十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
●長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
●車の運転に注意

⑪睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
●睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

⑫睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
●一定時刻に服用し就床
●アルコールとの併用をしない

 

快適な睡眠は日々の生活を楽しく元気にしてくれます。
年齢が上がると乱れがちになる睡眠ですが、睡眠障害のメカニズムを理解し、少しでも対処を重ねていけば、睡眠時間も幸せな時間になるかもしれません。

出典:
・「国民健康・栄養調査(令和元年)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf
・榎本 みのり、高齢者の睡眠、e-ヘルスネット、https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-004.html、厚生労働省、2021年
・厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費の「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」 平成13年度研究報告書

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