皆さんもご存じの通り、色は数えきれないほど存在しています。
日本の伝統色は植物や事柄などに関連した名前が付けられています。
つまり色の名前を聞けば、おのずとどんな色を指しているのか分かるということです。
色を名づけた日本人の感性と自分の感性が一致するか試してみませんか。
今回は今までの伝統色クイズから少し趣向を変えて、色と名前を一致させる選択式のクイズです。
名前群から、どの色の名前なのかを当ててみてください。
名前群には、ダミーが1つ混じっていますよ。
解答はブログ記事の下部の「解答編を開く」でご紹介します。
※各色のカラーコードや名前は、おおよそのものになります。
文献や書籍により解釈が異なる場合があります。
①
名前群
①牡丹色(ぼたんいろ) ②苔色(こけいろ) ③飴色(あめいろ) ④紺色(こんいろ) ⑤桧皮色(ひわだいろ) ⑥檸檬色(れもんいろ) ⑦菫色(すみれいろ)
②
名前群
①若芽色(わかめいろ) ②縹色(はなだいろ) ③海松色(みるいろ) ④常磐色(ときわいろ) ⑤根岸色(ねぎしいろ) ⑥楝色(おうちいろ) ⑦青磁色(せいじいろ)
③
名前群
①紫苑色(しおんいろ) ②唐棣色(はねずいろ) ③千草色(ちぐさいろ) ④緑青(ろくしょう) ⑤灰桜(はいざくら) ⑥石竹色(せきちくいろ) ⑦露草色(つゆくさいろ)
④
名前群
①赤紫(あかむらさき) ②新橋色(しんばしいろ) ③弁柄色(べんがらいろ) ④鉛丹色(えんたんいろ) ⑤砥粉色(とのこいろ) ⑥亜麻色(あまいろ) ⑦百塩茶(ももしおちゃ)
問題は以上になります。
解答編を開く
①
■飴色(あめいろ)
飴は「水飴」を指しています。
現在主流の水飴は無色透明ですが、昔は麦を原料にしていたため、深みのある橙色になります。
■苔色(こけいろ)
植物の「苔」の様にくすんだ黄緑色です。
今はおしゃれにモスグリーンともいいます。
■菫色(すみれいろ)
「菫」の花弁のようにやや青みが濃い紫。
英語ではバイオレットで表されることも多いですね。
■牡丹色(ぼたんいろ)
「牡丹」のピンク色に因んで。
華やかな色合いが明治時代に大流行しました。
■檸檬色(れもんいろ)
熟した「檸檬」の色に由来します。
ヨーロッパのレモンイエローが日本で知られた際にこの色名になりました。
■紺色(こんいろ)
紫がかった暗い青で、昔は「深縹(こきはなだ)」と呼ばれていたそうです。
平安時代には男性の衣類の色として愛されてきました。
②
■海松色(みるいろ)
「海松」と呼ばれる緑藻類の一種の色です。
昔は食材としてメジャーで、身近な存在だったようですね。
■常磐色(ときわいろ)
松や杉といった年中緑色の葉を持つ「常緑樹」の葉の色から名づけられています。
深い緑は見ていて心が落ち着きますね。
■青磁色(せいじいろ)
透明感のある青緑の磁気「青磁」に似た色です。
青磁が作られた当初、その色を中国の皇帝に気に入られ、民間での使用が禁止されたので秘色(ひしょく)ともいわれます。
■縹色(はなだいろ)
「露草のしぼり汁で染めた染料」の色が縹色です。
明度が高く独特な雰囲気がある青ですね。
■楝色(おうちいろ)
楝は栴檀(せんだん)と呼ばれる木の古名。
その木に咲く「楝の花」のような色を指します。
■根岸色(ねぎしいろ)
東京台東区に位置する根岸は、江戸時代に上質な壁土が採れました。
この壁土を上塗りした「根岸壁」の色を根岸色といいます。
③
■唐棣色(はねずいろ)
朱華とも書き、どちらも古名です。
低木の「庭梅(にわうめ)の花」のような色を指します。
■紫苑色(しおんいろ)
「紫苑の花」の色のような少し青みのある紫です。
源氏物語や今昔物語など平安時代の文学にも度々登場します。
■石竹色(せきちくいろ)
名前の印象とは裏腹に、撫子の一種「石竹の花」の色に由来します。
岩場に自生し、茎と葉が竹の様に見えることから名づけられたそうです。
■露草色(つゆくさいろ)
先ほどの縹色とは別でこちらは「露草の花」の色に因みます。
万葉集にも登場する程、古くから親しまれた植物です。
■緑青(ろくしょう)
緑青は「銅が酸化したことで発生する錆」を指します。
どちらかといえば緑色が強い色です。
■灰桜(はいざくら)
日本人が愛してやまない「桜色に少し灰色がかった」色が灰桜です。
可憐なだけでなく、どこか儚げな色合いですね。
④
■赤紫(あかむらさき)
赤みがかった紫で「躑躅(つつじ)や牡丹」の花のような色です。
マゼンタと似た色で、思ったよりも赤みが強い紫ですね。
■砥粉色(とのこいろ)
砥石を切りだしたり、砥石で刃物を研いだ時にでる「砥粉」の色を指します。
赤みが鈍くなった黄色で落ち着きを感じる色です。
■亜麻色(あまいろ)
「亜麻という植物の繊維」の色が亜麻色です。
曲名で使われているので金髪のイメージがありますが、実際は黄色みを帯びた茶色です。
■弁柄色(べんがらいろ)
江戸時代にインドのベンガル地方から輸入していた「べんがらと呼ばれる顔料」の色です。
赤みを帯び、落ち着いたその色合いから建築物の塗装にも広く使われている色です。
■百塩茶(ももしおちゃ)
「百」は回数、「塩」は漬け染めのことで「何回も漬け染めを重ねた赤紫褐色」を指します。
羊羹色に似ている深みのある茶色です。
■鉛丹色(えんたんいろ)
酸化鉛である「鉛丹をやや赤みを強くした」色です。
電車の屋根の塗装にも良く使われていました。
名前のイメージと色のイメージが一致しましたか。
日本の伝統色は明度や彩度が控えめだったり、少しくすんだ色も多いですね。
しかしはっきりとした色合いとは違い、どれも安心感や落ち着きを与えてくれます。
日本人が日常生活の中で感じる色の共通点なのかもしれませんね。
次回の伝統色クイズもお楽しみに。