神様の使いや神様そのもの。神話に出てくる神使と呼ばれる動物たち。

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自然や生き物を産み出し、人々を導き、時には破壊を行う神。
日本で語り継がれる神話は、ただの人間では到底出来ないことが記されており、見ていてわくわくしますね。
神といえば、大体人間に似た姿をイメージしますが、神話には私たちの身近な動物たちも数多く登場します。
今回は、神話に登場し「神使」と呼ばれる動物をご紹介します。

 

神話における動物たち

日本神話として有名な著書は「古事記」「日本書紀」です。
人間を産み出した存在なためか、神様も人間の姿で描かれていることが多いですね。
その神様とは別に、神話には人間以外の動物も登場します。
動物たちは神様の代わりに人間の前に姿を表し、時には神様の伝言役、時には人間に試練を与える役も担います。
本当は神様自身が赴きたかったのかもしれませんが、忙しくてなかなか大変だったのかもしれません。
このように神様に仕える動物を『神使(しんし)』といいます。

神使とされる動物は、神様との説話神様の行動と動物の習性の一致によって決まります。
種別に決まりも無いので、哺乳類や鳥類、爬虫類など多種多様です。

また、神使自体も神様と同等の力を持っているとされ、神様と同じように祀られることもあります。
現在でも全国各地で神使が祀られていたり、実際の神使といわれる動物が大切に飼育されていたりします。

ちなみに神使は白い姿で描かれていることが多いようです。
白は、古くから純真無垢で神聖な特別な色として認識されていたため、神秘的な神使も姿が白いと考えられていたのでしょう。
また、動物の体質で体の色素を構成する「メラニン」が先天的に欠乏し、通常よりも外観が白く生まれるものを「アルビノ」といいます。
アルビノは個体数自体が少ない・病気のリスクが高い・外敵に見つかりやすく生存が難しいことから、滅多に野生で人が目にすることがありません。
このことから、白い動物は特別なものだと認識されていたのかもしれませんね。

 

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どんな神使がいるのか

地域の伝承により異なる場合もありますが、神使の動物は全国ほぼ共通です。
一体どんな神使がいるのか、いくつかご紹介します。

■狐(きつね)

稲を象徴とする農耕の神様である『稲荷神(いなりのかみ)』
主祭神として祀られているのは、京都の伏見稲荷大社が有名ですね。
その稲荷神の神使とされるのが『狐』です。

農耕の神は「田の神」とも呼ばれ、稲作の準備を始める春先になると山から人里に下ってくると考えられていました。
その後農民の作業を見守り、稲作が終わる秋頃に山に帰るとされています。
昔の里では、狐も田の神と同じ時期に田の付近に生息する動物を求めて人里に姿を現していました。
その様子が稲作を見守っているように見えたことから、神使と考えられたようです。

また、稲作の害獣であるネズミを食べてくれること、狐の色や尻尾の形が稲に似ていることも神使とされる理由です。

 

■烏(からす)

知能が高い鳥として知られる『烏』は、吉兆を示す霊鳥として考えられていました。
烏を神使とする話は『八咫烏(やたがらす)』が有名です。
日本神話では「高木大神(たかぎのかみ)」、あるいは「天照大神(あまてらすおおみかみ)」の神使として登場します。
日本の初代天皇である「神武天皇(じんむてんのう)」が進軍する際に、熊野国から大和の橿原までの険しい山道を導いたとされています。

名前の「八咫」は本来であれば長さ(約144cm)を示していますが、「八咫烏」「大きい烏」という意味です。
八咫烏は三本足で描かれており、それぞれ「天(天神地祇、全ての神々のこと)」「地(大地・自然のこと)」「人」を表し、「太陽の下に神と自然と人が血を分けた兄弟である」ことを示しているとされています。

 

■鹿(しか)

『鹿』を神使として祀っているのは茨城県の「鹿島神宮(かしまじんぐう)」と奈良県の「春日大社(かすがたいしゃ)」です。

鹿島神宮は『武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)』を祭神とし、その神使が鹿とされています。
これは日本神話に記されている、日本列島を治めていた「大国主神(おおくにぬしのかみ)」が高天原に住む神に国土の移譲を受け入れる「国譲り」の説話から由来しています。
大国主神への使者として天照大神は「天之尾羽張(あめのおはばり)」を任命し、その任命の伝令役として「天迦久神(あめのかくのかみ)」を派遣します。

「迦久」「鹿児(かこ)」、つまり「鹿の子供」を意味することから、天迦久神は「鹿の神」といわれています。
そして天迦久神から伝令を聞いた天之尾羽張は、自分の代わりに息子の「武甕槌大神」を使者として向かわせたのです。
この話に基づき「武甕槌大神」の神使は鹿とされるようになりました。

春日大社は奈良に作られた平城京の守護と繁栄を祈願するために創建されました。
春日大社の主祭神の一人も同じく「武甕槌大神」です。
武甕槌大神は春日大社に招かれた際、鹿島神宮から白鹿の背に乗ってやってきたとされています。
春日大社の近くの奈良公園に生息する鹿はその白鹿の子孫と伝えられており、現在も大切に扱われているのです。

 

■蛸(たこ)

見た目が特徴的な『蛸』「速玉男命(はやたまのおのみこと)」という神様の神使として扱われています。
速玉男命は、日本書紀内で「伊弉諾尊(いざなぎ)」「伊弉冉尊(いざなみ)」夫婦が黄泉の国で離別する約束事を立てる儀式の中で、伊弉諾尊が吐いた唾から生まれたとされる神様です。

この神様を祀っている場所の一つが鳥取県の「福岡神社」です。
熊野灘(現在の和歌山県)から吉備国(現在の岡山県)に向かう途中、暴風に見舞われて遭難した速玉男命が、無数の大蛸に助けられて無事吉備国に上陸したという言い伝えがあるそうです。

また、この神社では毎年10月頃に大蛸への感謝をこめて「蛸舞式(たこぶしき)」という神事が行われます。
舞堂の天井に大きな丸い梁に一人が抱きつき、それを大勢で回転させるというもの。
なんでも蛸が船の舳先で航海の無事を祈る姿を模しているのだとか。
想像してみるとなかなかに面白い神事ですね。

 

今回ご紹介した以外にも日本には沢山の神使がいます。
日本の神道は、全てのものには神が宿っているという「八百万の神」の考え方があります。
動物にも神のような力が宿ると信じられていたからこそ、神使が誕生したのかもしれません。
他の神使も別の機会にご紹介できればと思っています。

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