今が「旬」なたべものたち《とうもろこし》
赤や黄色など、夏はカラフルな色合いの野菜が旬を迎えます。
食べる前から元気を貰えそうな気がしますね。
その中から今回ご紹介するのは夏の屋台でも見かける「とうもろこし」。
甘くて美味しい野菜で、今年の夏も元気に過ごしていきましょう。
世界三大穀物の一つ
『とうもろこし』はイネ科の植物で、お米や小麦と同じく世界で主食として食べられる『世界三大穀物(せかいさんだいこくもつ)』の一つです。
つぶつぶとした並んだ実が特徴で、日本では焼いたり茹でたりする「野菜」として食べることが多いですが、世界では粉にしたものをパンや粥状にしても食べられます。

とうもろこしは明確な原産地や起源が判明していませんが、メキシコが起源だとする説が有力です。
そこからアメリカ大陸に渡りヨーロッパへ、ポルトガルから日本へと伝わってきました。
とうもろこしという名前は「舶来(はくらい)」という意味の「唐」と中国から伝わってきた「モロコシ」という植物に似ていたことに由来します。
また、同じく舶来の意味で「南蛮」、日本に古くから親しまれていた「キビ」に似ていることから「南蛮黍(なんばんきび)」とも呼ばれます。

ちなみにとうもろこしは漢字で書くと「玉蜀黍」と書きます。
「モロコシ」を漢字で書くと「蜀黍」ですが、なぜ「唐」ではなく「玉」なのでしょうか。
これはとうもろこしの別名に「粒が玉のように綺麗に並んでいる」姿から来た『玉黍(たまきび)』の「玉」を当てたからです。

実は結構品種が豊富
とうもろこしには長い歴史があり、これまでに様々用途に合わせて品種が改良されてきた穀物です。
同じとうもろこしなのに、特徴が大きく変わっているのが面白いですよ。
どんな種類があるのか見てみましょう。
まず、とうもろこしと聞いて誰もが思い浮かぶのがこの『スイートコーン』。
一般的に広く流通しており、粒が黄色や白色、両方が混ざったバイカラーが主流です。
特に甘みが強く、そのまま茹でたり焼くなどの調理をしたり、コーンフレークなどにも加工されます。
品種によっては生のまま食べることもできます。
また、若採りした「ベビーコーン」は丸ごと食べることもできます。

とうもろこしのお菓子で欠かせないのが『ポップコーン』です。
お菓子のポップコーンを作るのに適している品種で、乾燥させるととても硬くなります。
加熱すると粒の中の水分が蒸発して膨張し、皮が弾けます。
ポップコーンの中でも種類があり、まるで蝶々のような形になる「バタフライ型」と丸いキノコのような形になる「マッシュルーム型」があります。

固いでんぷん質で覆われているのが『フリントコーン』で、ポップコーンはこの種から生まれたものです。
加熱しても堅くて食べることができず、粉にしたものを使います。
海外ではメキシコの「トルティーヤ」やイタリアの「ポレンタ」などが有名です。

『ジャイアントコーン』は、一粒が直径2cmほどもある大きな粒が特徴のとうもろこしです。
海外の寒冷で標高の高い地域でしか栽培されず、生のものは日本にはほぼ流通しません。
しかし、油で揚げたものはおつまみとして販売されていることもありますよ。

ワックスを掛けたようにツルツルとした粒が特徴の『ワキシーコーン』。
加熱するともちもちとした食感になる、別名「もちとうもろこし」と呼ばれる品種です。
こちらもスーパーではあまり流通されず、一部の農園や通信販売などで手に入ります。
スイートコーンよりも甘さは控えめですが、とうもろこし本来の風味を楽しめます。

成長の過程で糖分がデンプンに変わってしまう品種です。
食用ではなく、主に家畜の飼料やバイオ燃料、コーンスターチの生産に使われます。

長い歴史の中で人々と密接な関係であった分、品種改良が盛んだったのかもしれませんね。
とうもろこしの栄養
とうもろこしは世界三大穀物といわれている通り、主食として食べられるほど「炭水化物(たんすいかぶつ)」を多く含み、野菜の中では高カロリーです。
しかし、不溶性の「食物繊維(しょくもつせんい)」を豊富に含み、便秘や大腸がんの予防に役立ちます。
また、「ビタミンB1」や「ビタミンB2」などのエネルギーの代謝を助けるビタミン類や血圧の上昇を抑制する「カリウム」も多く含まれます。

とうもろこしの栄養で特に注目したいのは、粒の根元にある胚芽部分に含まれる「リノール酸」や「オレイン酸」などの「不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)」です。
不飽和脂肪酸は、血中の「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)」や「中性脂肪」を低下させる働きがあり、生活習慣病の予防に役立ちます。
特にリノール酸は、人間の体内で合成することができない「必須脂肪酸(ひっすしぼうさん)」なので、積極的に取り入れたいですね。

とうもろこしの選び方
今が旬のとうもろこしですが、鮮度の落ちがとても早い野菜なので、なるべく採れたてのものを選ぶのが大切です。
鮮度の良さの目安にするためにも、皮付きのものを買うのがおすすめです。
皮の緑色が鮮やかで濃いものは新鮮で、時間の経過とともに色あせて薄くなっていくので注意しましょう。
もし、先端のヒゲも付いているのであれば、褐色で濃い色のものは完熟している目安になります。
また、とうもろこしのヒゲは、一本一本がとうもろこしの粒に繋がっています。
そのため、ヒゲが多いほど粒がたくさん付いているのが分かります。
切られている軸も乾燥しておらず、瑞々しいものを選んでください。

皮が剥かれているものを選ぶ場合は、実がふっくらとして弾力があるものを選びます。
粒の大きさや形も揃って、ぎっしりと均等に詰まっているものが美味しいです。

そして、購入後はなるべくすぐに食べるか、冷凍保存するようにしてくださいね。
とうもろこしのおいしい食べ方
せっかく生のとうもろこしを手に入れたのであれば、まずはシンプルに茹でたものをオススメします。
色んな茹で方がありますが、皮付きのものであれば、薄皮一枚を残したまま水から茹でるのが簡単です。
たっぷりの水に入れて火にかけ、沸騰後3~5分程度茹でます。

茹であがり後に3%の塩水(水1リットルに対し塩30g)に付けると、程よく塩分が染み込み、粒もしわしわになりにくくなります。

ビタミンやミネラルなどの水溶性栄養素を無駄なく摂取したいなら、電子レンジで加熱するのもいいですね。
焼きとうもろこしにするときも、あらかじめ茹でてから焼くと失敗せず香ばしく出来上がります。
素材の味をスタンダードに楽しむなら、天ぷらが美味しいです。
緩くなりすぎない垂れない程度のてんぷら粉に絡めることと、スプーンですくって静かに入れて揚げることでバラバラになりにくくなります。
衣が固まるまでは触らないようにしてくださいね。
もっと簡単に食べるなら、お米と一緒に炊いてとうもろこしご飯にするのも良いですね。
炊くときに芯も入れると、芯からうまみ成分や甘み成分が出て、美味しく出来上がります。
フライパンでバターで炒めた後に醤油で味付けすれば、みんな大好きなバターコーンにも。
缶詰で作るよりもシャキシャキで、そのままでもご飯にかけても楽しめます。

とうもろこしは鮮度が命。
旬の一番おいしい時期にぜひ食べておきたいですね。
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