1年の締めくくりにこの一杯。大晦日に食べる『年越しそば』のハナシ。

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2020年も残すところあと少し。
今週末のクリスマスが終われば、みなさんも年を越す準備を着々と進めていらっしゃると思います。
そんな1年を締めくくる大晦日に食べるものといえば『年越しそば』が一般的ですが、そもそもそばを食べる理由や由来はご存じでしょうか。
今回は『年越しそば』についてご紹介します。

年越しそばを食べる理由

大晦日に年越しそばを食べるようになったのは、遡ること江戸時代。
その理由は諸説あるようです。

1.商家から広まった説
当時、月の末日を「三十日(みそか)」と呼んでおり、商家ではその日にそばを食べる「三十日そば」という風習がありました。
月末は商家が集金や棚卸で忙しくなるため、奉公人も総出になる大仕事だったそうです。
そこで商家の主が奉公人を労うために安価で早く出前を届けてくれるそばの出前を取っていました。
これが転じて大晦日だけにそばを食べる習慣だけが残ったといわれています。

2.そばの見た目からかけた説
そばを打つとき細く長くすることから、「寿命をのばす」「家運が長く続く」という意味が込められているといいます。
また、食べるときには柔らかく切れやすいことから、「その年の悪縁・厄災を断ち切る」「今までの借金を打ち切る」などの願いが込められています。

3.金細工師から転じた説
江戸時代では、金細工師が金箔を延ばすときに裂け目ができないようにそば粉を使用していたため、金を扱う職業が使用していたとして縁起が良いと考えられていたようです。
また、作業時に散らばった金粉を集めるためにそば粉を団子にしたものを使っていたことから、「金を集める」という縁起物として食べるようになったといわれています。

4.「世直しそば」から転じた説
鎌倉時代のこと、九州の博多の街は疫病が流行ったため、不景気に落ち込んでしまいました。
そのため、年の瀬に食べるものもなく困っていたところ、「承天寺」で町人に「世直しそば」としてそば餅を振る舞ったそうです。
すると、翌年から皆に運が向いてきたため「運そば」として大晦日にそばを食べる習慣が生まれたといわれています。

年越しそばを食べるときに注意すること

そんな様々な願いが込められた年越しそばですが、食べるときにも食べ方があるといいます。
年内に食べ始めた場合は、年越しそばを食べる理由にその年の厄を断ち切る縁起を担いでいるため、「新年に持ち越さない=年を越す前に食べきる」のが縁起が良いとされているようです。
また、年越しそばを食べきらずに残してしまうと「新年は金運に恵まれない」という伝承もあります。
但し、地域によってはその逆で、元日にそばを食べる「元日そば」の風習もあります。
厳密には食べ方に決まりはありませんが、せっかくの縁起物なので少しはそのご縁にあやかりたいですね。

 

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一緒に食べたい縁起物
もともと縁起物として食べられる年越しそばですが、その具材にも縁起を担ぐものを取り入れることが多いようです。
えび :腰が曲がるまで長生きできる長寿のシンボル
ネギ :「一年の苦労を労う(ねぎらう)」という語呂合わせ、または神職の「祢宜(ねぎ)」にかけて
油揚げ:商売繁盛の神様のお稲荷様の好物なため、金運・仕事運向上を上げる
にしん:「二親(にしん)」とかけて子宝に恵まれるように
卵  :黄身の黄色は黄金を連想させるため、金運上昇や商売繁盛の意味
鶏肉 :鶏は一年の初めに一番に鳴く動物として縁起が良い

どの食材もそばと相性の良いものばかりですね。

毎年食べている年越しそばですが、その背景や意味を知ると面白いですね。
みなさんも、縁起を担いだ年越しそばを食べて、ステキな新年を迎えましょう。

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